広島−ロッテ 1回裏、先制3ランを放ったエルドレッド(左)はロサリオ(中)とタッチを交わす=マツダスタジアムで(北村雅宏撮影)
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◇広島5−3ロッテ
広島が一発攻勢でリーグ30勝一番乗り。1回にエルドレッドの3ランで先制。2回は石原の2号ソロ、5回にはエルドレッドの17号ソロで加点。前田は8イニング1失点で5勝目。ロッテは成瀬が5回途中5失点で5敗目。反撃も遅かった。
その笑顔がうれしかった。スタンドから拍手喝采を浴びると、広島のエルドレッドの目尻が下がった。「ファンの期待に応えたかった」。今季3度目の1試合2本塁打。チームを14年ぶりとなるセ・リーグ30勝一番乗りに導き、鯉党に歓喜をプレゼントした。初回1死一、二塁だ。成瀬が投じたチェンジアップを捉えた。「左投手のときは右方向を意識している。いい感じで打てた」。右中間席の最深部に放り込む先制の16号3ラン。5月18日の巨人戦(東京ドーム)以来、8試合ぶり。交流戦では初本塁打だ。
勢いは止まらない。4−1の5回無死では左翼席へ17号ソロ。中押し弾で主導権をさらに引き寄せた。
この日はストッキングを見せるオールドスタイルで試合に臨んだ。「試合前のロッカーでパンツを上げて座っていたら、キラに『そうやって試合に出るのか?』と言われた」。米国時代、そのスタイルでプレーした経験はない。それでも「毎日同じ格好では、つまらない」とニヤリ。気分を一新したことも柵越えにつながった。
本塁打は一気にヤクルトのバレンティンを抜き去り、本塁打と打点でリーグトップに立った。「数字は気にしていない。自分が打ってチームが勝っていることの方がうれしいよ」。その言葉が頼もしい。セ・リーグ首位快走へ−。E砲が自慢のパワーで野村鯉を引っ張る。 (市尻達拡)
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