今季初勝利を挙げ、原監督(左)と握手する巨人の内海=東京ドーム
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◇巨人6−0楽天
巨人の内海が10度目の先発で今季初勝利。2回以降は毎回走者を背負ったが、要所で粘って7イニング無失点。打線は2回に村田のソロで先制。6回は井端の適時二塁打、7回はセペダの満塁本塁打で加点。楽天は3併殺など拙攻が痛かった。
やっと、長いトンネルから抜け出した。巨人・内海が10度目の先発で今季初勝利を手に入れた。6回途中に左太ももがつりかかるアクシデントも何のその。7イニングを4安打の無失点で、待ちに待った白星をもぎ取った。
「いつかこういう日が来ると思って、一生懸命頑張りました」。お立ち台で偽らざる本音を口にした内海。頭上からは初勝利を祝う大歓声が降り注ぐ。当然、満面の笑み。「こんなにうれしいものなんですね…」と、一生忘れられないと思えるほどの白星の味をかみしめた。
4月1日の初登板から2カ月。周囲の励ましを心の支えに、雌伏の日々に耐え続けた。6イニング2/3で2失点KOされた23日のロッテ戦(QVCマリン)の後もそうだった。翌日の練習で原監督に呼び止められた。「打てなくて悪かった」という言葉に胸が熱くなった。
「次も頑張ろうという気持ちになりました」と内海。野手が誓う「勝たせたい」という思いもひしひしと感じていた。恩返しは勝利で、と決意。先頭打者を出しても、アクシデントに見舞われても、粘りという自らの持ち味を忘れることはなかった。
原監督は「チームにとっても大きい」と初白星を喜ぶ。そして、こんな言葉を贈った。「ここからがスタートだぞ」。内海も同じ思いでいる。潮目は変わった。左のエースは、2位に浮上したチームを自らの手でさらなる高みに押し上げていく。 (川越亮太)
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