巨人・長野(左)に打撃指導する原監督=甲子園で(田中太一撮影)
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悩めるバットマンのスイングに指揮官のメスが入った。巨人の原辰徳監督(55)が30日、甲子園の室内練習場で行われた全体練習で、長野久義外野手(29)に対し、約1時間にも及ぶ異例の熱血指導。交流戦8試合で打率1割7厘と苦しむ背番号7の復調を促した。
「『少しやろうか』と言ったら『お願いします』と言うから、みっちりやったよ」
素振りでは長野の正面にしゃがみ込み、手にしたバットで1スイングごとに振るコースを指し示した。ティー打撃では自らボールを投げ、打撃投手相手の打ち込みではじっくりとフォームを観察。ときおり身ぶり手ぶりを交えながら注意するべき点を指摘した。「自分のスイングがゲームでできるようにね。練習のスイングがゲームでできていないから」
2011年に首位打者、12年に最多安打に輝いた長野は今季ここまで打率2割6分1厘。とくに交流戦は28打数3安打と散々だ。この日の練習後はバスまで猛ダッシュして報道陣から逃げた。原監督は「彼の中でジレンマもあるでしょう。なんとか早めにコンディションを上げないとね。できる人なんだから」と胸中をおもんぱかった。
昨年8月、試合前練習で原監督が長野に自らトスを上げて直接指導したことがあった。すると長野は翌日の試合で決勝ホームランをかっ飛ばした。果たして、その再現となるかどうか。 (小林孝一郎)
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