成績不振を理由に休養すると発表する西武・伊原監督=4日、西武ドーム
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今季就任したばかりの西武・伊原春樹監督(65)が4日のDeNA戦(西武ドーム)後に会見を開き、同日限りでの休養を発表した。パ・リーグ最下位に沈む不振の引責と、右膝痛が理由という。発表は「休養」ながら自身、球団とも復帰へのプロセスは描いておらず事実上の辞任となった。今後は田辺徳雄打撃コーチ(48)が監督を代行する。
今季初の1−0の快勝で、連敗を2で止めたDeNA戦後。ベンチ裏のサロンにチーム全員が集められた。伊原監督はそこで説明を行った後、球場内で会見。「明日(5日)から休養させてもらいたいと願い出て、承諾していただいた」。2003年以来、11年ぶりに復帰した西武監督。指揮わずか53試合、20勝33敗で終戦を迎えた。
33敗目を喫した前夜の同カードの後、同社長に意思を伝達。慰留は受けたが、了承された。第一の理由は「監督が一度退くことでいい風が吹くのでは」。5月21日の巨人戦、2点リードを9回に逆転されて敗れた。二塁手と右翼手の交錯が原因だったが、右翼手に前進を指示するか迷い、思いとどまった結果だったという。「監督の勝負運の弱さは、選手に伝染する」と思うに至った。
もう一つの理由は、3年前から抱えていたという右膝痛。西武ドームの長い階段を上るのがつらかったと明かし「痛みをこらえながら振る舞ったが、監督が選手に弱みを見せるようなことがあった」と苦り切った。
休養ではあるが、復帰時期について居郷社長は「全く考えていない」とコメント。伊原監督も「ちょっと難しいでしょう」と認めており、事実上の辞任といえる。
監督代行を務めることになった田辺打撃コーチは、気丈に借金完済への意気込みを語りながらも「(球団の打診に頭が)真っ白になった」と明かした。名参謀として鳴らし、鬼と呼ばれた勝負師・伊原監督にしてはあまりに寂しい幕切れ。苦難を抱え、梅雨の時期に西武が再び船出する。
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