ホーム > 市政情報 > 市の概要 > 札幌市長のページ > 市民のみなさまへ(動画メッセージ) > 雪-平成23年(2011年)2月1日
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厳冬期2月、7日からは雪まつりも始まりますが、今冬の雪には悩まされます。札幌市内、降雪状況に偏りがあって、北区、東区、白石区、厚別区などが極端に多い。私の住む西区西野も従来手稲山に雪雲がぶつかり、思いっきりたくさん雪が降る地域ですが、ここ数年豪雪の記憶がありません。その代わり今年は、北区や東区が豪雪となった模様です。私は家の周りに石垣のような「雪垣」を作り、ママさんダンプで積み上げて何とか凌いでいます。
世界の人口100万以上の大都市の中で最も雪が降るまち、札幌。年間降雪量は約6メートル。冬季における都市機能維持のための除排雪は市政の最重要課題で、多くのお金をかけ、多くの人が携わっています。
市民の皆さんから「札幌市は予算を減らしたから排雪できない」との苦情を多くいただくのですが、これはまったくの誤解です。今年度の除排雪予算は約113億円(ロードヒーティング、流雪溝・融雪槽などの関係予算も含めた総額は約150億円)で前年と同様です。今後の状況によって、補正予算など必要な措置をとり万全な対策をとることは当然のことです。今回ご不自由を掛けているのは、お金の問題ではないのです。
先月21日、私はあらためて北区の雪の状況を視察してまいりました。また、太平にある北区土木センターで、北区長らから除排雪の実態について報告を受けました。多くの市民の皆さんの声のとおり、「異常事態」。どこが異常かと言うと、札幌市北東部では、1月になって連日降雪があったことから、毎日新雪の道路除雪に追われて排雪まで手が回らない状態になったことです。札幌市では、今、雪の少ない区から多い区へ機材を回して除排雪体制を強化し、また、大規模公園などを、臨時の雪たい積場とするなど、市民生活の利便を維持できるよう全力をあげています。
札幌には、冬の降雪に対する市民と市役所の多くの工夫、知恵、協力の蓄積があります。
例えば、福祉除雪サービス。高齢者・障がい者など除雪が困難なお宅の玄関前の間口を有償ボランティアの皆さん(地域協力員)が除雪。今冬は、2,800人を超える地域協力員の皆さんが4,100世帯の除雪を担っています。
また、北野中、北野台中、北海道工業大学、東海大学などの生徒、学生の皆さんのボランティア除雪も毎年続いています。
それから、除雪パートナーシップ制度。地域住民の皆さん、除雪業者、札幌市が分担・協力しあって、住宅地の道路(生活道路)の運搬排雪を行うもの。それから、市民助成トラック制度。これは、町内会などで道路の排雪を行う場合、年1回無料で運搬用トラックを貸し出して、町内会等の排雪作業を支援するものです。
そして、札幌市は、平成21年11月「札幌市冬のみちづくりプラン」を作りました。雪に対しての「自助」、「共助」、「公助」を考えていこうというものです。繰り返しますが、札幌市は今年も除排雪の予算は減らしていません。しかし、こうした除排雪体制を、将来にわたって維持できるかどうかといえば、大きな課題を抱えているのです。例えば、排雪用ダンプトラックの数が減っています。単純に札幌市が予算を増やせば、除雪レベルも上がるという構造にはないのです。
平成23年に入って早々の札幌市北東部の大雪災害。札幌市は市民生活の利便回復のため全力をあげています。この2月は雪に要注意ですが、なんとか「野外駐車をしない」「敷地内の雪を道路に出さない」「自宅前の間口除雪はご自分で」という3原則を今一度守っていただき、もうしばらく頑張りましょう。「冬来たりなば春遠からじ」と信じながら。
札幌市長 上田 文雄
(写真)1月6日に大通公園にて消防出初式を行いました。
この日から大雪が約2週間続き、この間の札幌市内の平
均の降雪量は1.4メートルにも及びました。
(写真)1月14日の北区の状況です。今年は短期間に多くの雪が降りました。特に北区では、1月6日から約2週間で年間降雪量(6メートル)の3分の1にあたる2メートルほどの雪が降り多くの方々が除雪に苦労されたことと思います。
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