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 東京女子医大(東京都新宿区)は5日、麻酔薬「プロポフォール」を小児患者への使用が禁じられている条件で不正に投与していたことを正式に認め、発表した。過去5年間に15歳未満の63人に投与したとしている。患者側に6日から文書で知らせるという。

 この発表に先立ち、高桑雄一・医学部長と副学長2人が都内で記者会見を開き、教授会としての調査結果を公表。医大や病院を運営する理事会に速やかな公表を求めたがなされず、「説明責任を果たすべきだ」と批判していた。

 高桑氏は、会見は笠貫宏学長の了承を得て開くものと説明。「命の重さを軽視する事態が相次いでいるのに、理事会から社会への説明はない。このままでは信頼を失う」と述べた。集中治療室で人工呼吸中の小児への禁止麻酔薬投与や、火災警報装置が長年鳴らない設定になっていた問題など一連の朝日新聞報道について事実関係を認めた。

 高桑氏らの会見について、吉岡俊正理事長は「理事会などの意思決定を経たものでなく、大変遺憾」との談話を発表。さらに会見後に急きょ、不正投与などを認める文書を報道各社に送り、「学内の混乱をおわびします」とした。