ブラジルW杯 注目すべきストライカー6人

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サッカーにおける最高の醍醐味は、ゴールが決まる瞬間だ。そして、試合を決める役割を担うことの多いストライカーは「花形」のポジションとして、必然的に眩いスポットライトを浴びる。サッカー王国ブラジルの地でまもなく開幕するワールドカップにも、さまざまなタイプのストライカーたちが国の威信と期待を背負って出場する。その中でも必見の選手たちを、元日本代表MFで現在は解説者を務める水沼貴史氏に挙げてもらった。

■ルイス・スアレス[ウルグアイ代表/リバプール/181cm、81kg]

所属するリバプールでは開幕から6試合の出場停止処分を受けながら、終わってみれば出場33試合で31ゴール。1試合にほぼ1度のハイペースで相手ゴールを陥れ、チームメイトであるイングランド代表FWダニエル・スターリッジに9差をつける独走で初の得点王を獲得した。驚異的なゴール数に目を奪われがちだが、スアレスはアシストも「12」を数えている。スターリッジをはじめとする周囲を生かす術をも身につけている点で、水沼氏は27歳ともっとも脂の乗り切った年齢に達したスアレスを「ある意味で万能型のストライカー」と高く評価している。

水沼氏「フィジカルコンタクトが強く、スピードもあり、ペナルティーエリアにおける嗅覚も鋭い。何よりも、ストライカーに一番必要なハングリーさを持ち合わせている。ゴールの形を持っているストライカーははまれば無類の強さを発揮するが、得意の形を抑えられると打つ手がなくなる選手が実は少なくない。スアレスはドリブルで自ら突っ掛けることができるし、ミドルシュートも打てるし、オフ・ザ・ボールの動き出しが非常に速いので味方のパスに合わせることもできる。いろいろな形を持っているからこそ、これだけの数字をあげられたのだと思う」

スアレスが育った家庭は食べ物を買うのが精いっぱいで、幼少期にはスパイクを履いてサッカーをすることすらままならなかったという。ストライカーにとって、ゴールは自らの価値を計る唯一無二のバロメーターとなる。スアレスの貪欲なまでの執念は、こうした環境にも起因しているのかもしれない。プレミアリーグでの対戦経験がある日本代表DF吉田麻也(サウサンプトン)も、スアレスを「非常に厄介な選手だった」と振り返ったことがある。「駆け引きが上手でズル賢く、ゴール前で一か八かのターンも仕掛けてくる。ゴール前を空ければ、どんなところからでもシュートを打ってくる。簡単に言えば日本人やアジア人にはない感覚を持っているし、あそこまで南米っぽい選手はプレミアリーグでも数少ない」。

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