新竹県=鵜飼啓
2014年6月5日20時19分
終戦前の日本で造られ、「貴婦人」とも呼ばれた台湾の蒸気機関車(SL)CT273が、30年の時を越えて復活した。台湾の国鉄に当たる台湾鉄路の現役技術者はSL技術を知らない世代がほとんど。引退した技術者の手を借り、3年余りかけて修復した。台湾中部・彰化で9日にあるイベントで客を乗せて走る。
「シュー、シュー、という音がいいんだよ」。4日の試運転で、蒸気機関車に連結した客車に乗り込んでいた劉樹根さん(79)は目を細めた。18歳のときに台湾鉄路に入り、整備を担当。引退して20年になるが、その後も蒸気機関車の復活に関わってきた。
CT273は日本のC57と同型。1943年に川崎車両(現川崎重工)で造られ、日本の植民地だった台湾に運ばれた。規格では最高時速100キロだが、線路幅が狭い台湾では85キロで運用されていたという。84年の退役後は観光施設で展示されていたが、手に入らない部品は自作するなどして修復した。劉さんはブレーキを担当した。
試運転では、整備工場から北部・新竹県などを通り、彰化までの約125キロをたびたび停車して点検しながら走行。写真を撮ろうという鉄道ファンの姿も多く見られた。蒸気機関車の運転歴15年という運転士、劉耿岳さんは「全速を出していないので馬力はまだなんとも言えないが、この機関車は本当に美しい」と話した。(新竹県=鵜飼啓)
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朝日新聞国際報道部
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