高橋健次郎
2014年6月4日01時39分
人口5万人未満の自治体は、全国平均よりも自殺率が高い――。こんな実態が内閣府の分析でわかった。2013年に自殺した人は2万7283人と4年連続で減少し、全体としては改善しているが、今後は地域ごとのきめ細やかな対策が求められそうだ。
分析結果は、3日に閣議決定された「自殺対策白書」に盛り込まれた。自殺者数は1998年に3万人を突破。その後、14年連続で3万人を超えて横ばいとなっていたが、10年に減少に転じ、12年からは2年連続で3万人を下回った。自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)も、03年の27人をピークに減少傾向が続く。
一方で自殺率は自治体間で「格差」があることもわかった。規模が小さいほど自殺率が高い。全国平均の21・6人に対し、人口1万人未満26・1人▽1万人以上2万人未満25・8人▽2万人以上3万人未満23・4人。5万人未満の自治体で全国平均より多かった。
白書によると、60歳以上の高齢層の自殺率の高さなどが小規模の自治体の自殺率を押し上げていた。原因別では、身体の病気を中心とした「健康問題」が目立つ。高齢層の健康問題が、小さな自治体の自殺率を押し上げていることがうかがえる。白書では、人口規模の小さな自治体について、「医療や介護サービスの充実が必要」と指摘した。(高橋健次郎)
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