BNPへの巨額罰金、訴訟に苦しむ欧州銀のリスク浮き彫りに
6月4日(ブルームバーグ):米国の制裁法に違反したことでBNP パリバが科されそうになっている100億ドル(約1兆300億円)の罰金は、世界中で訴訟問題に直面しそのコストに苦しんでいる欧州の銀行に投資するのはリスクが高いことを浮き彫りにしている。
クレディ・スイス・グループのアナリストらは4日のリポートで「過去の問題に起因する訴訟リスクが株価のパフォーマンスを左右する主たる要素になった」と指摘。問題を抱える銀行の間で株価パフォーマンスのかい離は広がるだろうと予想した。
欧州の大手銀行は住宅ローン商品の不当な販売から為替レートと指標金利の操作までさまざまな問題で訴訟や監督当局の調査に直面している。アミット・ゲール氏らアナリストは、これらの銀行の訴訟・規制関連コストはさらに660億ドル(約6800億円)膨らみ総額1040億ドルに達すると試算した。
昨年10月22日以降、ドイツ銀行 株は19%下落。バークレイズ は12%、クレディ・スイスは11%、BNPパリバは5.5%下落している。
格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は4日、現在「A+」のBNPの長期信用格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。罰金100億ドルならアナリスト13人が予想するBNPの今年の利益56億4000万ユーロ(約7900億円)を超える。
クレディ・スイスはBNP株について、購入には「より良い時期を待つ」ことを勧め、バークレイズについては資本基盤の弱さが戦略実行の足かせになるとの見方を示した。
原題:Looming BNP Fine Shows Risks for Banks Ensnared inLitigation(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:フランクフルト Mark Bentley mbentley3@bloomberg.net
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更新日時: 2014/06/05 03:41 JST