原監督誤算!緊急降板・大竹に苦言「あの程度でつってもらっては困る」
◆交流戦 ソフトバンク8―3巨人(3日・ヤフオクドーム)
巨人は投打で精彩を欠いて逆転負け。連勝が3で止まった。打線は初回、セペダと村田のタイムリーで2点を先取したが、球団タイとなる16試合連続1ケタ安打の“貧打”を露呈。先発の大竹は6回の打席で遊ゴロを放った際に右太もも裏をつってしまい、5回2失点で降板。代わった青木、香月らが同点の6回に打者一巡の猛攻を浴び大量6失点。投打とも計算が狂う展開で完敗だ。
試合を決する「6」が、スコアボードにともった。6回。2番手の青木から香月、阿南と3人で計6安打2四球6失点。ソフトバンクの打者一巡11人の猛攻を食らい、ゲームは壊れた。
接戦を制す―。最近の原巨人の展開に持ち込みたかった。それが、アクシデントで計算が狂った。同点の6回2死三塁で、打者・大竹が遊ゴロに倒れた際、走塁中に右太もも裏を痛めた。これが、悪夢の始まり。原監督は「あの程度で足がつっていては困るよ。まあ、今日は終わったことだけど、対策をしてもらわないと。今後そういうことのないようにしないと」と、ただあきれるしかない。
回を重ねるごとに調子をあげていた大竹を、最低7回までは引っ張りたかった。6回1死二塁の好機で長野が中飛に倒れ、なおも2死三塁としたが、大竹をそのまま打席に送った。もし代打を送っても、2死から1点を取れる確率は低い。大竹を続投させ、1点を与えない野球を指揮官は選んだ。8回から山口、マシソンとつなぐ。それが崩れた。
日程的にも余裕がある交流戦。相手チームはエース級をぶつけてくる。原監督は「そうは点を取れない。接戦しかないんだよ」と、覚悟を決めて戦ってきた。5月31日のオリックス戦(京セラD)では、先発・金子に降板した9回まで無安打に抑えられたが延長12回2死に亀井が本塁打を放って勝った。2戦目も1点差を逃げ切った。チームに勝利の形ができつつあった。
打線が援護できれば、ベスト。だが、立ち上がりの悪いスタンリッジから初回に2点を先取したが、2回から降板した6回まで1安打に抑え込まれた。昨年、阪神に在籍していた宿敵を攻略しきれなかった。球団ワーストタイとなる、16試合連続1ケタ安打(6安打)は、71年以来43年ぶりの不名誉な記録だ。
指揮官は試合を振り返り、「攻撃は3点目が取れなかった。アクシデントがあった中でも、6回は大事なイニングだった」と、6回の攻防を敗因に挙げた。2番手の青木は「準備はしていて、ベストの状態でいったが、ああいう結果になってしまった。申し訳ないです」。交流戦優勝へ、負けられない戦いは続く。もう、ミスは許されない。(水井 基博)