“投壊”今季最悪13失点 球団ワースト17戦連続1ケタ安打
◆交流戦 ソフトバンク13―5巨人(4日・ヤフオクドーム)
巨人が今季ワーストとなる13失点でソフトバンクに連敗した。先発予定の内海が左肩に違和感に訴えて登板回避。緊急先発の阿南が初回に2失点すると、原監督は2回の打席で代打・横川を送り、継投策に活路を求めたが、2番手・福田が6失点、4番手の久保も4失点と“投壊”。打線も球団ワーストとなる17試合連続1ケタ安打と投打に精彩を欠いた。
何とかしたかった。悔しさが、原監督の表情ににじみ出ていた。
「内海がああいう形になったから、それをカバーするという部分で、阿南と福田で4回、5回を投げてもらいたいと思っていたが、なかなか計算通りにはいかなかった」
試合前から暗雲が垂れ込めた。先発予定だった内海が左肩に違和感を訴えて登板を回避。代わって、昨年10月1日のヤクルト戦(神宮)以来、阿南がプロ2度目のスターターとなった。初回、簡単に2死を奪ったが、柳田に四球を与え、李大浩に右翼席への2ランを浴びた。続く長谷川を四球で歩かせ、指揮官の堪忍袋の緒は切れた。
阿南が先発を告げられたのは昼前だった。内海から「ごめん、頑張ってくれ」と頭を下げられた。左腕にとっては信頼を勝ち取る、千載一遇のチャンスでもあった。精神面を含め、準備する時間はあったはず。しかし、腕を振れなかった。
指揮官は常々、若手選手に対して「失うものはないんだから、思い切ってやるだけ。攻めて打たれたら使った監督が悪いんだから」と話している。阿南の弱気な投球内容に、納得いくはずがない。
守り勝つ野球を理想とする原監督だが、この日は攻撃に転じた。2点を追う2回1死満塁で阿南に代打・横川を送り、右中間へ走者一掃の3点二塁打をマーク。チームのムードをガラリと変えた男をそのまま、2回の守備から一塁に置いた。一塁で先発していた亀井はセカンドに回した。
「1軍にいる選手は全員が戦力。それぞれの力、可能性を持っている」とも指揮官は話している。亀井の二塁は、12年9月22日のヤクルト戦(東京D)で代打として途中出場、その後、二塁の守備に就いて以来だ。精彩なく2打席凡退した4番のセペダを3回の守備からベンチに下げるなど、攻撃重視の中でタクトを振った。
常に先手を奪おうとしたが、投手陣が踏ん張れなかった。今季ワーストタイの17被安打。13失点は09年7月15日のヤクルト戦(神宮)以来。先発・阿南の後を受けた福田も2回2/3を8安打6失点の乱調で試合後、2軍降格が決まった。
内海の抜けた穴は埋められなかった。原監督は「ベンチはこういう時、監督、投手コーチを含め、知恵、力の出しどころだが、なかなか出せなかった」と自身を責めた。そして、「ブルペン陣にまだまだ力がないという部分も謙虚に受け止めて、明日からの教訓として強くなっていく」と締めくくった。(水井 基博)