米国債:10年債続落、10月以来の最長連続-非製造業が拡大
6月4日(ブルームバーグ):4日の米国債は10年債が5日続落。昨年10月以来で最長の連続安となった。米供給管理協会(ISM)が発表した5月の非製造業総合景況指数は予想以上に上昇、債券売りを促した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、経済は緩慢ないし緩やかなペースで拡大した。ベージュブック発表後に米国債は下げ幅を拡大した。朝方発表された米民間雇用者数の増加幅が市場予想を下回り、4月の米貿易赤字がここ2年での最大に拡大すると、米国債は一時上昇していた。欧州中央銀行(ECB)は5日、金融政策会合を開く。
グッゲンハイム・セキュリティーズの米政府債トレーディング担当マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「ISM統計の内容が強かった。それで国債の利回りは押し上げられた」と述べた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して2.6%。同年債(表面利率2.5%、2024年5月償還)価格は1/32下げて99 3/32。
コーエン氏の見方米ゴールドマン・サックス・グループのシニア米国投資ストラテジスト、アビー・コーエン氏は、株式の投資リターンが債券を抜き、国債の投資妙味はないと指摘した。
同氏は「債券を非常に懸念しているが、それは必ずしも今週や今月といった話ではない」と述べ、「しかしながら、中長期的な投資見通しでは、債券は魅力的な投資対象ではないと結論付けている」と続けた。
メリルリンチ・オプション・ボラティリティ・エスティメート (MOVE )指数は64.9bpと、4月3日以来の最高をつけた。過去10年間の平均値は92.2となっている。
5月のISM非製造業総合景況指数は56.3と、前月の55.2から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は55.5だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。
ドイチェ・バンク・セキュリティーズの米国担当シニアエコノミスト、カール・リカドンナ氏(ニューヨーク在勤)は、「ISMの非製造業活動は全体的に強い。利回りはさらに上昇するに違いない」と述べ、「経済統計のトーンは第1四半期の不振から回復している景気と一致している」と指摘した。
ベージュブックベージュブックでは経済について全12地区中7地区が「緩やか」な拡大、残りは「緩慢」な拡大と報告した。
給与明細書作成代行会社のADPリ サーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、5月の民間部門雇用者は前月比で17万9000人増加した。ブルームバ ーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は21万人の増加だった。
ブルームバーグがまとめた調査によると、労働省が6日発表する5月の米雇用統計は、4カ月連続での20万人超の雇用増が見込まれている。
米商務省が発表した4月の貿易収支統計によると、財とサービスを合わせた貿易赤字 (国際収支ベース、季節調整済み)は前月比6.9%拡大し、472億ドルとなった。これは2012年4月以降で最大。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は408億ドルだった。
原題:Treasuries Reach 3-Week Low as Services Growth TopsForecast(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Susanne Walker swalker33@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.netKenneth Pringle, Greg Storey
更新日時: 2014/06/05 06:40 JST