前川知大と佐々木蔵之助が生み出した傑作『抜け穴の会議室』が新たに甦る![公演情報]

佐々木蔵之助が初めて前川知大と出会った記念すべき作品『抜け穴の会議室』。
今回は大杉漣という強力な相棒とともに、再び輪廻の世界に旅立ちます…

俳優・佐々木蔵之助の立ち上げた演劇ユニット〔Team 申〕が第一回公演『時には父のない子のように』(作・演出:蓬莱竜太/出演:佐々木蔵之助、佐藤隆太)に続いて2006年に上演したのが、仲村トオルとの2人芝居『抜け穴の会議室』(作・演出:前川知大)だった。不思議な縁で結ばれた2人の男が生と死の狭間にあるらしい“会議室”で、自分たちの人生で起きた出来事をたぐり寄せながら生きる意味を探し希望を見つけ出していく、輪廻転生の旅路。“生きながら彼岸を覗く”という前川の作風と、青年から中年に差しかかって行こうとする役者たちの抱える“生きるリアル”が絶妙に混じり合ったこの一作は、当時大きな注目を集めた。
佐々木と前川はその後もTeam申として2009年に『狭き門より入れ』(出演:佐々木蔵之助、市川亀治郎、中尾明慶、有川マコト、手塚とおる、浅野和之)で再びタッグを組み、前川がその年の読売演劇賞優秀演出家賞を、佐々木が優秀男優賞を受賞し、共に高い評価を得ている。そしてこの12月、『抜け穴の会議室』は『抜け穴の会議室〜Room No.002〜』として帰って来ることとなった。

今回佐々木が2人芝居の相手に選んだのは、男としても役者としても先輩となる大杉蓮。共に長きに渡り板の上で研鑽を積み、映像の世界でも着実にそのキャリアを重ねて来た実力派の2人が、新たな会議室に足を踏み入れ、より深く壮大な輪廻転生の旅へと飛び込んで行く。演出の前川もまたこの数年の活躍目覚ましく、現在、最も注目される新進気鋭の劇作・演出家として傑作を世に送り出し続けている。乗りに乗っている男3人が体当たりで見つめる生と死、その人生――。骨太で力強いステージに期待が高まる。

(文/横澤由香)

2010-10-26 13:00 この記事だけ表示