名刺代わりの一発を放ったグリエル（右）に中畑監督も大喜び

　ＤｅＮＡ入りしたキューバの至宝、ユリエスキ・グリエル内野手（２９）が３日、イースタン・リーグ西武戦（西武第二）に「３番・ＤＨ」で出場し、いきなりセンターバックスクリーンへ“来日第１号”を放った。

　隣の西武ドームでの一軍戦を前に新戦力を視察した中畑監督は「かっこいい」と大はしゃぎ。一方でグリエルは「投手の球を打つのは３月中旬以来。体調は７０％」とややお疲れ気味だったが、順調なら６日の日本ハム戦（横浜）で一軍デビューする。

　チーム関係者もキューバの至宝に気持ちよくプレーしてもらおうと必死だ。なかでもナーバスになっているのが、食事に関すること。昨春のＷＢＣで来日した際に日本料理、特に米が口に合わず約２週間で５キロも体重が減ったというエピソードを事前に本人から聞いていたからだ。

　食はパワーの源であるだけでなく、合わなければストレスにもなる。そんな最悪の事態を避けるため、球団スタッフは日本にあるキューバ料理店を独自に調査。レシピを尋ねたところ「知りたければ３５０万円払え」と言われ、仕方なく「自分の舌と、あとはネットで調べて覚えました」（チーム関係者）。

　そんな苦労の末に、見よう見まねで豆を使ったキューバ料理をベイスターズ球場での練習時に出したところ、グリエルは大喜びしてパクパクと食べたという。

　今後は一軍の遠征先ホテルにもレシピを伝え、キューバ料理を用意してもらう予定。グリエルのいきなりの活躍も、裏方さんの努力あってのものだ。