[画像]ネット時代に高まる「人と会う」価値
ホリエモンこと堀江貴文氏と10万円で一緒に食事ができるという企画が話題になっています。著名人との10万円の食事券は高い買い物なのでしょうか?
ホリエモンは、自身がプロデュースするグルメアプリ「TERIYAKI」において、10万円を払えば彼と食事ができるという10名限定の食事会を企画しています。実はこの食事会は4月からすでに2回開催されていて、いずれも告知とほぼ同時に完売となり、6月開催分もチケットはすぐに売り切れてしまったそうです。
海外ではこうした著名人との会食チケットは珍しくありません。もっとも有名なのは、米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏とランチを食べられるという企画で、通称「バフェットランチ」と呼ばれています。オークション形式での販売で、2013年は100万ドル(約1億円)の値段が付いています。2012年には350万ドルで落札されています。
米国の著名政治家も同じような形式での超高額パーティをよく開催しています。オバマ大統領と会える小規模な夕食会の相場は数百万円といわれていますから、バフェット氏に比べればかなりお得といえるでしょう。
普通の人がホリエモンのような人物から話を聞けるチャンスはそうそうありません。10万円で直接、話を聞く機会が得られるのであれば、それは一部の人にとっては非常に安い買い物といえるかもしれません。
ネットが普及してきたことで、直接人に会うことの相対的な価値は高まっています。これはあらゆる業界に共通の現象かもしれません。
CDやダウンロードによる印税で生活を成り立たせることができるアーティストはもはや少数派となっています。リスナーは、彼等が作った音楽にはお金は払いませんが、ライブや握手会など、直接触れ合うことができる機会に対しては大金を支払います。
かつて「メモリーグラス」という曲でヒットを飛ばした歌手の堀江淳さんは、小規模なライブと食事会をセットにした企画を長年地道に続けていました。絶頂期のような大人数を動員することはできなくても、根強いファンが支えてくれたわけです。書籍の市場は年々縮小する一方ですが、セミナーなど著者と直接対話できるビジネスは活況を呈しています。
直接触れ合う形式のビジネスには、AKB48事件のようなリスクも伴います。しかし、コンテンツが相対的に安価になっている現状を考えると、こうしたサービスは今後さらに拡大してくる可能性が高いと考えてよいでしょう。
(The Capital Tribune Japan)