【ニューヨーク=稲井創一】ソフトバンク子会社で米携帯電話3位のスプリントが同4位のTモバイルUSを買収することで大筋合意したと、複数の米メディアが4日報じた。買収金額は約320億ドル(約3兆2800億円)にのぼる見込み。7月にも最終合意に達するという。
米調査会社ストラテジー・アナリテックスによれば、2013年12月末時点の契約件数はスプリント5505万件、Tモバイル4668万件。両社合計で1億件を超える。買収が実現すると、首位のベライゾン・コミュニケーションズ(1億2130万件)と2位のAT&T(1億1037万件)に匹敵する第3勢力が米で誕生する。
報道によれば、スプリントはTモバイルから一株40ドルで取得する。ソフトバンクグループにとっては13年6月に216億ドルでスプリント買収に合意してから約1年でさらに大型の買収に踏み切ることになる。
ただ、買収の認可権を持つ米連邦通信委員会(FCC)や司法省は、大手が3社に集約されれば競争が低下しかねないとかねて懸念を表明している。当局をどう説得するかが、今後のカギになりそうだ。
買収報道についてソフトバンク広報室は「コメントは差し控える」としている。
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