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 首都圏の「新幹線通勤」を支えてきたオール2階建て新幹線が、ひっそりと役割を終えようとしている。JR東日本は「輸送力」から「高速化」に重点をシフト。延伸と都心回帰の流れもあり、最高時速240キロどまりの2階建て車両は、東北新幹線からは完全に姿を消した。後継ぎはなく、車両は上越新幹線で晩年を迎えることになりそうだ。

 東海道新幹線の「100系」など一部2階建て車両は国鉄時代から走っていたが、すでに引退。オール2階建ての初代にあたる「E1系」は、1994年にお目見えした。12両編成の定員は1229人。先頭部分が「団子っ鼻」の形で知られる200系とくらべ、一気に4割もアップした。

 続いて97年に登場した「E4系」は、基本編成は8両だが、連結装置を装備。16両編成時の定員1634人は、高速列車で世界最大を誇り、「Max(マックス)」の愛称で親しまれた。山形新幹線「つばさ」や、秋田新幹線「こまち」とも連結走行できるようになった。