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ロマンの木曜日 2014年6月5日
 

国道152号線の未開通区間を歩いた

国道152号線、これより未開通
国道152号線、これより未開通
以前より気になっていた道がある。長野県上田市から静岡県浜松市へと続く、国道152号線だ。

ある日ぼんやり地図を眺めていると、南アルプスに沿って南北に伸びる152号線が目に留まった。

他に主だった道路のない南アルプス沿いというだけでもかなり印象的だったのだが、よくよく見ると、その途中の二箇所が途切れているではないか。

調べてみると、どうやらそこは、いまだに道路が作られていない、未開通区間のようである。
木村岳人 木村岳人(きむらたけひと)
1981年神奈川生まれ。テケテケな文化財ライター。古いモノを漁るべく、各地を奔走中。常になんとかなるさと思いながら生きてるが、実際なんとかなってしまっているのがタチ悪い。2011年には30歳の節目として歩き遍路をやりました。2012年には31歳の節目としてサンティアゴ巡礼をやりました。
> 個人サイト 閑古鳥旅行社 Twitter

未開通区間を歩いて越える

国道152号線の未開通区間は二箇所。日本の秘境と名高い遠山郷の出入口にあたる、青崩峠と地蔵峠だ。
どちらの峠も152号線そのものは未開通で途切れているのだが、峠を迂回する林道が存在するので、それらを使えば通行自体は可能である。

だがしかし、迂回しなければならないというのも癪な話ではないか。国道が設定されている、その正規ルートを通ってみたいと思うのが人の常である。

さらに調べてみると、どうやら車道こそ未開通であるものの、昔から人々が歩いてきた、峠越えの古道なら存在するらしい。

車両はダメだが、徒歩なら未開通区間を越えて、152号線を繋ぐことができるのだ。それなら、歩くしかないだろう。
ちなみに未開通区間までは原付で行きました
ちなみに未開通区間までは原付で行きました

道幅は狭いが、なかなか楽しい国道152号線

というワケで、私は静岡県の浜松市から国道152号線を一路北上した。

序盤はなんの変哲もない普通の国道。大した面白みはなかったのだが、天竜川沿いの道となってからは途端に山が深くなり、いわゆる酷道的な趣を見せ始めた。
天竜二俣の辺りから、天竜川沿いの渓谷が始まった
天竜二俣の辺りから、天竜川沿いの渓谷が始まった
景色が良く、車も少ないので、走っていて楽しい
景色が良く、車も少ないので、走っていて楽しい
車のすれ違いが困難な、道幅の狭い箇所も多い
車のすれ違いが困難な、道幅の狭い箇所も多い
道路の対岸ではあるが、派手に崖崩れを起こしていた
道路の対岸ではあるが、派手に崖崩れを起こしていた
青崩峠の10kmほど手前、水窪(みなくぼ)に到着
青崩峠の10kmほど手前、水窪(みなくぼ)に到着
もっと路面がボコボコとか、そういう道路を想像していたのだが、全体的に道路の状態は悪くなく、なかなかゴキゲンな道である。

水窪からはさらに道幅が狭まるものの、走る車がほとんどないので問題ない。
時折あらわれる、集落や棚田の風景が良い感じだ
時折あらわれる、集落や棚田の風景が良い感じだ
そして迂回路との分岐点に到着。国道152号線は右の道である
そして迂回路との分岐点に到着。国道152号線は右の道である
左の方が立派だが、そちらは迂回路の林道へと続く道路なのだ
左の方が立派だが、そちらは迂回路の林道へと続く道路なのだ
普通に走っていると見逃してしまいそうな、なんとも頼りない細道が青崩峠へと続く国道152号線である。

迂回路の方が遥かに立派であるが、実はこれにはちょっと複雑な事情があったりする。それは後述するとして、まずは青崩峠へ突入だ。
この先に待ち構えるは、未開通区間
この先に待ち構えるは、未開通区間


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