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 STAP細胞の論文撤回で研究成果は白紙に戻るが、理研は「STAP細胞がなかった」とは結論づけていない。STAP細胞が本当に存在するかどうかを明らかにするため、内部の研究者でゼロからの検証作業を続けている。存在の有無の目星をつけ、第三者に検証してもらうことを目指す。

 4月に始まった検証作業では、著者の一人、理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の丹羽仁史プロジェクトリーダーら6人が1年間かけて結論を出す。理研広報室によると、5月中旬以降は、入院中の小保方氏が実験のコツなどを電話やメールで伝えているという。

 STAP細胞の存在をめぐっては、インターネット上などで様々な疑惑が指摘されている。STAP細胞から培養した細胞の遺伝子配列の分析から、ES細胞が混入していた可能性を指摘する声もある。

 ただ、論文の著者の一人、笹井芳樹CDB副センター長は4月の会見で「STAP細胞は、ES細胞に比べ極端に小さい。STAP現象を前提にしないと容易に説明できないデータがある」と話している。