新たな万能細胞としてSTAP(スタップ)細胞を華々しく発表してから4カ月余り。主要論文の撤回に同意した理化学研究所の小保方晴子氏(30)は6月4日、代理人の三木秀夫弁護士に「仕方がなかったんです。悲しいです」と打ち明けたという。三木弁護士は「彼女は精神的に追い詰められ、撤回は本意ではない」と述べ「細胞の存在を確認する検証実験に参加するために、応じざるを得なかった」と苦渋の選択だったことを強調した。
「私は何のために、これまで頑張ってきたんだろう…」。三木弁護士によると、4日午後に電話でやり取りした小保方氏の声からは論文撤回への悲しみが滲んでいた。
小保方氏はこれまで主要論文の取り下げに同意してこなかったが、ノーベル賞受賞者でもある理研の野依良治理事長に論文撤回を勧告されたことは重く受け止めていたという。これまで撤回に反対していた米ハーバード大のバカンティ教授から「そこまで追い詰められているなら、やり直すのもひとつの道」との意向も伝わったといい、そのことも判断に影響したという。
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