◇メモリアルトーナメント<第3日>
▽31日、米オハイオ州ダブリン ミュアフィールドビレッジGC(7392ヤード、パー72)▽晴、気温28度、弱風▽賞金620万ドル、優勝111万6000ドル▽76選手
【ダブリン(米オハイオ州)テッド・ムース】松山英樹(22)=レクサス=が首位に2打差で最終日を迎える。第3ラウンドは6バーディー、3ボギーの69と伸ばし、通算10アンダーの3位に浮上した。初優勝がかかる最終日は、世界ランク1位のアダム・スコット(オーストラリア)と同組で、最終組の1組前を回る。石川遼(22)=カシオ=は71で通算2アンダーの47位。4月にマスターズ2度目の優勝を飾ったバッバ・ワトソン(米国)が通算12アンダーで首位に立った。
「先週はどちらかというと、自信がない感じだった。今週は自信を持っていけそう。先週と今週とは違う」。松山ははっきりと言った。前週は首位タイで3日目を終えたものの、最終日はスコアを1つ落として10位に。「優勝争いをしていなかったので、ボロが出た」と唇をかんだ。だが、その経験をすぐに生かし、2週連続で優勝争いに加わった。表情には「同じ失敗は繰り返さない」という決意がみなぎる。
3日目もショットの正確性は抜群で、一度もフェアウエーを外さなかった。小技もさえた。3番パー4はグリーン前エッジから6ヤードをチップイン、4番パー3は1・5メートルにつけて連続バーディー。7番パー5はグリーン横のバンカーから20センチにつけ順調に伸ばした。
後半も10番パー4で5メートルを沈めてバーディー。11、12番はボギーで失速しかけたが、15番パー5で8メートルに2オンさせ、タップインで進撃再開。多くの選手がスコアを乱す18番も、ピン上4メートルの下りの速いパットを「触るだけだった」という絶妙のタッチで沈め、3日連続バーディーで締めくくった。
準メジャー格の大会で、2週後に迫った全米オープンの前哨戦でもあるビッグトーナメントとあって、上位には世界の強豪が本気モードでひしめく。だが、首位のバッバ・ワトソンはショット、パットとも乱れが出ており、付け入るすきはある。
「(気持ちの盛り上がりは)分かんないスね。目標はあまり立てていない。目指すところはいつも一緒だから。先週よりチャンスはあるのかな。まあ、でも分からないですね。明日になってみないと」
優勝宣言はない。不安があるとすれば、「立て直せていない」という短いパットの正確性。プレー後は修正に余念がなかった。そこさえ克服できれば、米ツアー初優勝は手にできる。
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