日記
イケダハヤト氏が『イケダハヤトは高知県に移住します。ブログタイトルを変えました→ : まだ東京で消耗してるの?』で高知県への移住を表明していた。色々な意見があると思うのだけど「注目を得る」「議論を呼ぶ」パフォーマンスとして効率が良い。そもそも「永住する」とは言ってないわけだし、それによって仕事を辞める必要もない。講演をするにしても西日本方面のが競合が少ないし、別方面からの新鮮味が出てくるわけで普通に費用対効果が高い施策だと感じた。1年で戻ってくるのも普通に出来るわけで、DISるにせよ、賞賛するにせよなんか大袈裟に捉えすぎなんじゃないかとも思いつつ、羨ましいとは思う。
僕自身は東京生まれの東京育ちで、実家も東京にあるので、東京から出る必然性がない。でも、だからこそ日本中を旅する機会を増やしたいという憧れが強かった。そこで思うのは最低3ヶ月は住んでみないと、その地の空気や文化は分からないということだ。そのぐらいになればマンスリーマンションを借りて、日常的に行けるお店を開拓して、顔馴染みができて、「文化の違い」を含めて体験できる可能性が高い。
『私がそれでもドヤに住み続ける、その魅力を6つにまとめて語ります!住と食のクオリティが高すぎる。 - 太陽がまぶしかったから』みたいな事ができていたのも今は昔。ここ数年は、むしろ近距離出張ばかりさせられているし、僕自身の意志とは関係なしに「この時間にこの場所」が拘束され続けるのを一番のミスマッチだと感じていて、辞める辞める詐欺をしてる現状がある。
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昔書いたノマド論において「物理的移動権力を売却するか否か?」というテーマがあった。そもそも論として現代日本においては車や鉄道や飛行機などの「物理的移動力」そのものはコモデティ化していて、「物理的移動権力」が実際上の移動可能性には重要となる。この「物理的移動権力」を持つのは、スキルや役職などのなんらかの権力を持った上位層(ハイパーノマド)と、定職をもたない下位層(カフェノマド・日雇い労働者等)である。これに対して中間層は「出勤」など「物理的移動権力」を組織に委譲する代わりに相応の給料を得るという構図があり、それが「物理的移動権力の売却」というスキームになると解説した。
しかし、最近は会社の就業規則が変わったり、フリーランス化が一般化したりがあって「物理的移動権力の売却」をしなくても良い人々も少しづつ増えている。売却しなかった「物理的移動権力」の割り当て先として在宅ワークは分かりやすい表出と言えるが、移住も一形態である。通勤時間や予期的社会化に伴うコストは一般的に「労働」に含まれないわけだけど、雇用関係を維持するために売られていると考えると、そこを含めた投下資本からのリターンが妥当かどうかを考えられるのだ。その観点からみると居酒屋バイトなどはキツい。
それで「高知移住」とかを「したくてもできない」自分を意識すると残念に感じる。「自分をどこまで売るのか?」という議論は「誰がいくらで買ってくれるか?」との両面であって、イケダさんみたいに物理的移動権力以外にも売れる物や商流がある人を羨ましく思う。羨ましいと思うだけでは仕方ないので、どうしていくかを考えて遂行する必要があるのだけど。そのための手段として「物理的移動力」「物理的移動権力」の対となる「論理的移動力」「論理的移動権力」がひとつの方法となるとは思いつつなかなかねぇ。
お言葉
今、ロンドンに住んでいて、金融関係の取材を続けているんですが「金融の人たちはみんな欲張りで悪いやつだ」と書けば、たくさん…(略)ーヨリス・ライエンダイクさんー元記事 http://t.co/XK1F8wIEVs [ほぼ日手帳・日々の言葉・2014年6月4日] #techo2014
— ほぼ日刊イトイ新聞 (@1101complus) 2014, 6月 4
悪意が渦巻いて厳しい「現実らしい現実」と楽観的で悪意のない「虚構としての現実」はそれぞれ物理的に進行する現実とは往々にしてズレている。大澤真幸が「現実への逃避」と指摘しているのだけど、そっちに偏りすぎるのもどうかとは思う。
読了本
- 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/07/18
- メディア: 文庫
- 購入: 38人 クリック: 329回
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気になる記事
ブクマコメント自体は全然よいんですよ。身内の下駄を前提にし続けると新着が荒れるので外部からのヘイトを集めるとかスパム判定の動きがあるから自粛するという歴史があっただけで。また違った回答もあるかと。 / “思ってることを書いてみた …” http://t.co/BIaZdkWVpb
— 池田仮名 (@bulldra) 2014, 6月 4