世界的企業が人材教育に採用する「アービンジャー式問題解決策」とは?
※画像:『日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則』(アービンジャー・インスティチュート/著、きずな出版/刊)
上司が分かってくれない。部下が、家族が、友達が……こんなに頑張っているのに、誰も自分のことを理解しようとしてくれない。そうして自暴自棄な想いに駆られることはないでしょうか。それはあなたが「小さな箱」に入りこんでしまっているからです。
世界のリーディングカンパニーがこぞって採用したアービンジャー式人間関係の問題解決策を、本書『日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則』(アービンジャー・インスティチュート/著、きずな出版/刊)では、人間関係で悩まないための秘訣を、物語形式で紹介していきます。
主人公は30代のビジネスマン、リョウ。人一倍頑張っているのに、上司や部下、妻との関係は冷え切っています。職場でも家庭でもイライラを募らせている彼はある日、岡山という謎のコンサルタントと出会い、自分の「箱」に気づいていくのですが…。
■「箱」っていったい、何?
本書のキーワードである「箱」。これは、自己欺瞞のメタファーです。人間関係で悩む人はみな、自分の小さな「箱」の中から抜け出せずにいる状態だと考えます。
たとえば、誰かに謝ろうと思ったけど謝らなかったとか、お礼を言うべきだと思ったけど言わなかったという経験はありませんか?
このような、心ではすべきだと思っていることに背く行為を「自己裏切り」といいます。
「自己裏切り」の結果、私たちは、行動できなかった自分に都合のいい言い訳ばかりを考えて正当化しようとし、その代わりに他人を悪者にして、「自分がこうしなかったのは、仕方がなかったからなんだ」と納得しようとします。
相手を非難し、自分を正当化している状態。これが「箱に入っている」状態です。箱に入ってしまうと、自己正当化する感情が自分を支配して、箱の中でグルグルと回ってしまい、抜け出せなくなるのです。
「箱」に入っていると、自由に動くことができません。けれど、これは一部の人の問題ではありません。いわば世界中の問題です。みんな同じような症状で悩んでいるのだと説きます。
■他人は、モノじゃない
「箱」からの脱出を難しくする要因の1つに、「他人をモノとして見る」ことが挙げられます。
たとえば、ケンカしている相手に頼みたいことが出てきたため、ケンカを終わらせようと「ごめん。自分が悪かったよ」と謝りました。でも、このお詫びの言葉は、本心からのものではないですよね。自分が、相手に何かを頼みたいから謝ったにすぎない、自分の利益のための行為です。この状態では、人は「箱」に閉じこもっているのと一緒です。
私たちは、ついつい人を「モノ」として見てしまいます。それは、相手は自分ほどの価値はなく、「邪魔なモノ」「便利な道具」「自分には無関係な存在」として見るという気持ちのあり方からくるものです。そうなってしまうと、相手の一挙一動が自分にとってどう影響を及ぼすのかについてのみ興味が働き、自分の思い通りにならないとイライラしてしまうのです。
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