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【大相撲】

稀勢、2敗で残った 日馬、まげつかんで終わった

2014年5月25日 紙面から

日馬富士(左)が稀勢の里のまげをつかみ反則負け=両国国技館で(大泉謙也撮影)

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◇夏場所<14日目>

(24日・両国国技館)

 横綱日馬富士(30)=伊勢ケ浜=と大関稀勢の里(27)=田子ノ浦=の2敗対決は、日馬富士がまげをつかんで反則負けとなった。横綱の反則負けは史上2度目。白鵬(29)=宮城野=は横綱対決で鶴竜を寄り切り、ただ一人1敗を守った。2敗で追っていた勢も豪栄道に敗れ、優勝争いは白鵬と稀勢の里に絞られた。

 ヒヤッとしたが、稀勢の里が優勝戦線に残った。立ち合いで低く当たり、日馬富士のはたきをこらえて押し出した。軍配は稀勢の里。だが、物言いが付いた。館内に「もう一丁」コールが沸き起こる中、稀勢の里のまげを日馬富士が左手でつかんだため、反則勝ち。負ければ初の賜杯が消える大一番で思わぬ白星が転がり込んだ。

 「(まげをつかまれた感じは)うーん、ちょっと分からない。軍配は見ていなかった。たまたままげだった。立ち合いはうまくいったと思う」。崩れた大銀杏(おおいちょう)のまま、支度部屋に戻った大関は神妙な表情を浮かべながら、報道陣の質問にゆっくりと答えた。

 V戦線生き残りを懸けた結びとあって、館内は大声援に包まれた。それでも、この日の稀勢の里は雰囲気に飲まれなかった。朝稽古後、結びで取ることに「久しぶりな感じがしますね」とワクワクしているようだった。白鵬に負けた12日目のようなガチガチだった姿はなし。心躍る気持ちで臨んだことで結果に結び付いたのかもしれない。

 千秋楽で勝って13勝とすれば、横綱への道に期待もかかる。だが、北の湖理事長(元横綱)は「(千秋楽勝てば)13勝になるけど、1月(初場所)、3月(春場所)を見た時には厳しい目で見られる」と、名古屋場所での綱とりにあらためて否定的な見方を示した。

 ただ、綱よりも先に狙うのは賜杯だ。あとは千秋楽を残すのみだが、「まあ、変わらずですよ。いつも通り。気持ちを切らさないように」と稀勢の里。支度部屋で風呂から出てきた白鵬と目も合わせずにすれ違った。絶対に初優勝をつかんでやる。そんな闘志を早くも見せつけているようだった。 (永井響太)

 

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