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【大相撲】

白鵬が29度目V 大鵬見えた

2014年5月26日 紙面から

29回目の優勝を果たし、支度部屋で関係者に万歳で祝福を受ける白鵬=両国国技館

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◇夏場所<千秋楽>

(25日・両国国技館)

 東横綱白鵬(29)=モンゴル出身、宮城野=が14勝1敗で2場所ぶり29度目の優勝を果たした。西横綱日馬富士との結びの一番を上手投げで制した。優勝回数は32度の大鵬、31度の千代の富士に次いで歴代3位。7月13日初日の名古屋場所で節目の30度目到達を目指す。日本出身力士として栃東(現玉ノ井親方)以来8年4カ月ぶりの優勝を狙った大関稀勢の里(27)=田子ノ浦=は13勝2敗で一歩及ばなかった。

 モンゴルから2日前に来日した両親が見守る前で、白鵬は輝く賜杯を安倍晋三首相から手渡された。

 「おやじは体を悪くして、2年ぶりの日本。その前でいい相撲が取れてうれしいです」

 1差で追いすがる稀勢の里が目の前で鶴竜を破った。日馬富士に負ければ決定戦。それでも「いや、もう、負けてもいいと、気楽にいこうと思った。2番取るつもりで臨みました」とプレッシャーは感じていなかったという。

 左から張ってすぐ左上手を引く。十分な体勢になると、ひと呼吸置いて上手投げ。14勝1敗の堂々たる成績で稀勢の里を振り切った。

 大台に王手をかける29回目の優勝。「29歳で29回目。うれしい」。30回目が話題になると、「そういう数字は頭で考えるだけで心のどこかにしまっておいて、言葉で言わず頑張っていきたい」と受け流した。

 だが、そのすぐあとにこう漏らした。「大鵬親方の優勝32回もありますし、朝稽古に精進し、引っ張っていきたい」。目標とする数字をはっきりと口に出した。

 場所中に元横綱大鵬の話をした。「大鵬親方が昇進記者会見で『辞めることを考えている』と言ったことを聞いただけでゾッとした。大鵬親方でさえそう言う。自分はどこに向かって走っていくんだと思った」。そう感じたのは横綱昇進を決めた2007年夏場所。不安を感じながらスタートした横綱としての人生もはや7年。名古屋場所で狙う30回目の優勝。どこに向かって走って行くかは決まっている。 (岸本隆)

 

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