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【大相撲】

若乃島 史上4位タイのスロー十両

2014年5月29日 紙面から

部屋の前でガッツポーズする若乃島=東京都杉並区の芝田山部屋で(永井響太撮影)

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 日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で名古屋場所(7月13日初日、愛知県体育館、中日新聞社主催)の番付編成会議を開き、若乃島(29)=本名再田史也、鹿児島県出身、芝田山=、旭大星(24)=大串拓也、北海道、友綱=、大栄翔(20)=高西勇人、埼玉県、追手風=の新十両昇進を決めた。所要85場所で昇進した若乃島は史上4位タイのスロー出世。入門時の師匠で18日に急死した元放駒親方(元大関魁傑)の西森輝門(てるゆき)さんや亡き両親にさらなる飛躍を誓った。

 最高の報告ができた。若乃島は「放駒」と書かれた浴衣を身にまとって会見に姿を見せた。意識したわけではなかったが、元師匠への思いが込められているようだった。「本当にもう一週間生きていてほしかったですけど…。いい報告ができたと思います」。スロー出世の29歳はゆっくりと思いを口にした。

 西幕下筆頭で5勝2敗と勝ち越し、新十両を確実にしたことで夏場所後、芝田山親方(元横綱大乃国)と元師匠の霊前に赴いた。「もっと稽古に精進して頑張りますので見守っていてください」。元師匠の熱心な誘いを受けて初土俵を踏んで14年。ようやくつかんだ関取としての決意を伝えた。

 実は1月に64歳だった母・都磨子さんも膵臓(すいぞう)がんで亡くした。父・半蔵さんも2001年に他界し、「天国で『おめでとう』と言ってくれていると思う」と喜びを噛みしめた。名古屋場所に向けて「勝ち越しを目指したい。出世は遅かったけど、その分土俵で暴れてお客さんを沸かせる相撲を取りたい」と高らかに宣言した若乃島。元師匠、そして両親のために。相次いだ悲しみを乗り越えた遅咲きの29歳が名古屋の夏を盛り上げる。 (永井響太)

 

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