たまこラブストーリー見てきました。
うん、すばらしかった。
私はやっぱり京アニ、山田尚子・堀口悠紀子・吉田玲子トリオのファンなのだろうな―。
タイトル通り、たまこともち蔵のラブストーリーなわけで、「まーけっと」とは違うという風にいっていた人も見かけましたが 1 、私にはこちらもしっかり「まーけっと」のよさを受け継いでいると感じられました。
いまは記事が消えてしまっていますが、「【たまごまごのツボアニ】第13回『たまこまーけっと』山田尚子監督にインタビュー」2 という記事でたまごまごさんが『たまこまーけっと』のよさは周囲の人があえて他人の問題に踏み込みすぎずに適度な距離を持って見守っているところなんだという趣旨のことをおっしゃっていました。
そういう繊細で暖かなやさしさが本作でも画面と場面にずっと漂っていて、とても心地の良い90分でした。
それらは決して絵空事というわけではなくて――確かに現実にはもっと悪意や厳しいことがたくさんあるわけだけれど――あの人たちの持っているよさは(たとえその一部でも)確かに私のまわりにもかつてあったものだったなと思い出させてもらえました。
友達のために真剣になって恋バナするとか、ほんとうにシリアスな局面で、大したことは出来なくても一緒にいるとか、ね。
舞台になっている京都の街や家(古い家具やアンティークなんかがいかにも京都だなーと)も、50~70年代風のグッド・オールドな音楽たちも、そういう暖かな雰囲気をかもすのに大きな役割を果たしていましたね 3。
映画を見ている最中よりも終わった後にだんだんと胸が一杯になってきて、交通機関のなかで涙が浮かんできてしまい困りましたw こういう読後感を映画でうけたのは初めてのように思います。
それにしてもみどちゃんいい失恋したね……彼女にもいいことがあるといいなあ。ほとんどお話に絡んでなかったのに、最後にたまこの気持ちに形を与えたのが、TVシリーズからずっと一番恋愛に興味を示してた史織ちゃんだったのもよかった。かんなちゃんは象徴的なモチーフをせっせと運んできてくれてましたね。
王子とチョイちゃんのこともあるし、たまこ母との縁の伏線(?)もあるし、南国組も含めて続きがみたいなあ。たまこともち蔵は遠距離恋愛するのかな。
ともあれ後2日、たまこまーけっと好きでまだの人はぜひ見に行きましょう。
- 細かいところだけれど、冒頭の南に島のデラちゃんで、チョイちゃんがデラにビンタしてたのが一番『たまこまーけっと』と違ったところだなと思いました。TVではつっこみを入れるときも殴ったりしないでポイっと放り捨てるっていう動作にとどまってたんですよね。そのあたりが暴力的じゃなくて好きだったので気になったというか気がついたというか。『ラブストーリー』の方ではビンタとか出てこなかった(もっちーの口を押さえる癖とかもフェミニンでかわいい)のでやはり番外編ということなのでしょう。 ↩
- 跡地:http://hobby-channel.net/tsuboani/378-tsuboani/25382-25382.html ↩
- たまたまなのですが、見に行った映画館も、劇中に出てくる喫茶店のように、こじんまりとした、レトロな雰囲気の、歴史あるお店で、映画館自体が舞台の一部になったようでした。 ↩
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