「世界一の朝礼」をテーマに講演活動をしている会社代表らが、福岡市立小学校の2年生のクラスの「朝の会」を撮影した動画を、学校に無断でインターネットに投稿していたことが4日、分かった。学校側が抗議して削除されたが、ほかのサイトに転載され、閲覧できる状態が続いている。

 学校によると、撮影、投稿したのは居酒屋チェーンを経営する「てっぺん」(東京)の大嶋啓介代表取締役(40)ら。3月19日に複数で学校を訪れて撮影した。校長は当日出張中で、クラス担任の女性教諭は撮影を黙認していたという。

 大嶋代表らが5月に交流サイト「フェイスブック」に動画を投稿後、「小学校の朝礼がスゴすぎる!」と、ネット上で話題に。気付いた学校側が大嶋代表に削除を求め、校長は児童38人の自宅を訪れて謝罪した。保護者からは、ネット上で子どもの顔を見ることが出来る状態であることを心配する声が出たという。

 福岡市教委は「個人情報の流出に当たる」として、校長と担任教諭を指導したという。

 動画では、担任教諭の呼びかけに続き、児童がリズムにのって「スーパーハッピー」「ついてる、ついてる」「やったらできる、やったらできる、やったらできる」などと大声で復唱している。動画が転載されるなどしたサイトには「元気が有ってよろしい!」と支持する意見の一方、「まるで居酒屋の研修」「洗脳」と批判的な書き込みもある。

 校長は「保護者からも理解を得ていた取り組みだったが、あり方について今後検討したい」と話した。てっぺんとは4日夜時点で、連絡がとれていない。