民生委員:暴力団員に委嘱…逮捕で発覚 大阪・枚方

毎日新聞 2014年06月05日 06時15分

 大阪府枚方市の暴力団員の男(46)が2012年から社会福祉行政に協力する民生委員を務めていたことがわかった。大阪府警が3日に男を詐欺容疑で逮捕する際、自宅玄関に掲げられた民生委員の標章を見つけて発覚した。市は4日に記者会見し、「あってはならないことで大変申し訳ない」と謝罪した。厚生労働省に解嘱を求めるという。

 府警枚方署によると、枚方市上島町の山口組系暴力団幹部、貴島章夫容疑者。逮捕容疑は12年7〜8月、組員であることを隠して信用金庫に口座を開設、リフォーム代名目で300万円の融資を受けたとしている。容疑を認めている。

 民生委員は都道府県や中核市の推薦を受けて厚労相が委嘱する特別職の地方公務員。任期は3年で、児童福祉を担当する児童委員を兼務する。原則無報酬だが、枚方市は年約4万8000円の活動費を支給している。

 市によると、欠員に伴い市が厚労省に推薦。12年12月に委嘱され、翌13年に再任された。自治会長やPTA役員を歴任しており、「地域の事情を把握し、責任感、指導力も高い」として推薦した。

 近所の女性は「気さくな人柄であいさつもきちんとする人。暴力団員とは信じられない」と驚いた。厚労省は「聞いたことがない。市に事情を問い合わせる」としている。

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