栃木小1女児殺害の容疑者、8年半で逮捕「有希ちゃんゴメンナサイ」

2014年6月4日6時0分  スポーツ報知

 2005年12月、栃木県今市市(現日光市)の小学1年・吉田有希ちゃん(当時7歳)が殺害された事件で、栃木、茨城両県警の合同捜査本部は3日、殺人の疑いで栃木県鹿沼市の無職・勝又拓哉容疑者(32)を逮捕した。1月末に別の事件で逮捕され、殺害への関与を供述した容疑者のパソコンから、有希ちゃんとみられる画像が見つかり、逮捕に踏み切った。女児が胸など約10か所も刺された遺体で見つかり、地元を恐怖に陥れた事件は、発生から8年半で全容解明へと大きく動き出した。

 捜査が難航していた05年の事件は、今年に入り、新たな展開をみせていた。1月29日、勝又容疑者が偽の「ルイ・ヴィトン」のバッグを約100点、販売目的で所持したとして、商標法違反容疑で逮捕された(公判中)。その事件の起訴直前、有希ちゃん事件への関与をほのめかした。

 だが、「ナイフは途中で捨てた」など、具体性に乏しい供述だったため、合同捜査本部が証拠や裏付けをめぐり、慎重に捜査を進めていた。そして容疑者宅の捜索で急展開、パソコンから「多数のロリコン、猟奇に関する画像」(捜査本部)に交じり、有希ちゃんとみられる画像が見つかり、逮捕に踏み切った。

 捜査本部によると、勝又容疑者は「殺したことに間違いありません。今言えることは、有希ちゃんにごめんなさいという気持ちです」と供述している。台湾出身の容疑者は事件前、今市市に住み、現場周辺に土地鑑はあったが、有希ちゃんと面識はなかったという。

 逮捕容疑は、05年12月1日午後2時40分ごろから翌2日午後2時までの間に、刃物で有希ちゃんの胸を多数回突き刺し、失血死させた疑い。殺害場所は「今後解明する」(捜査本部)としている。刃物や有希ちゃんのランドセルなどは「処分した」と供述しているという。

 04年から05年には、児童を狙った凶悪事件が国内で相次いでいた情勢もあり、有希ちゃんの事件は、地元住民らを恐怖と不安に陥れていた。遺体は衣服を身につけておらず、口から血を流し、胸を中心に刃物による傷が約10か所あった。死因は傷が心臓に達したことによる失血死だった。

 実は勝又容疑者は、事件の数か月後、捜査線上に浮上していた。事件当時、周辺で不審な白い車が目撃されており、防犯カメラの映像でも確認されていた。捜査本部は、車の所有者の特定を急ぐとともに、不審者情報から、ナイフマニアだった勝又容疑者を割り出し内偵したが、車は既に処分された後だったという。

 難航していた捜査は、容疑者の周辺をマークしていた栃木県警が、商標法違反の事実を突き止めことで進展。発生から8年半で、ついに逮捕の日を迎えた。捜査本部によると、有希ちゃんの母親は「良かったです」と話したという。

 ◆栃木県今市市の小1女児殺害事件 05年12月1日午後、今市市立大沢小学校1年・吉田有希ちゃんが、下校途中に同級生と別れた後、行方不明に。栃木県警は翌2日に公開捜査に切り替えたが、同日午後2時ごろ、約60キロ離れた茨城県常陸大宮市の山林で、遺体で見つかった。胸を約10か所刺され、ランドセルなどの遺留品はなかった。栃木、茨城両県警は合同捜査本部を設置して捜査していた。

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