栃木女児殺害:鹿沼の32歳男を逮捕

毎日新聞 2014年06月03日 15時39分(最終更新 06月03日 21時46分)

吉田有希ちゃんの遺体が遺棄された山林=茨城県常陸大宮市で2014年4月17日、土江洋範撮影
吉田有希ちゃんの遺体が遺棄された山林=茨城県常陸大宮市で2014年4月17日、土江洋範撮影

 栃木県日光市(旧今市市)で2005年12月、下校途中に行方不明になった市立大沢小1年の吉田有希ちゃん(当時7歳)が、茨城県常陸(ひたち)大宮市の山林内で他殺体で見つかった事件で、栃木、茨城両県警の合同捜査本部は3日、栃木県鹿沼市西沢町、無職、勝又拓哉被告(32)=商標法違反で公判中=を殺人容疑で逮捕した。勝又容疑者は容疑を認めており、動機や詳しい経緯を調べる。

 勝又容疑者は別の事件で今年1月に逮捕され、勾留中に有希ちゃん殺害への関与をほのめかす供述をした。その後の捜査で、勝又容疑者の関係先から見つかったビデオ画像などから逮捕に踏み切った。発生から8年半で、事件は大きく動いた。

 勝又容疑者は「私が有希ちゃんを殺害したことは間違いない。今言えることは、有希ちゃんに『ごめんなさい』という気持ちです」と供述し、連れ去りや遺体の遺棄も認めているという。

 逮捕容疑は05年12月1日午後2時40分ごろから2日午後2時ごろまでの間に、有希ちゃんの胸を刃物などで多数回突き刺し、失血死させたとしている。使ったとされるナイフなどは見つかっていない。捜査本部は同容疑者が単独で事件を起こしたとみているが、殺害場所について「今後解明する」としている。

 同容疑者は有希ちゃんとは面識はなく、事件後見つかっていない有希ちゃんの所持品について「処分した」と供述しているという。捜査本部は、幼女やポルノ画像を多数押収した。

 勝又容疑者は母親(55)とともに、偽ブランド品を販売目的で所持していたとして商標法違反容疑事件で逮捕され公判中。また、銃刀法違反事件でも起訴されている。

 捜査関係者によると、勝又容疑者は幼少時、連れ去り現場の近くにあった自宅から市立大沢小に通っていたという。また、茨城県内で、母親とともに骨董(こっとう)市に店を出していたことがあり、捜査本部は遺棄現場周辺にも土地勘があるとみている。死体遺棄罪は時効(3年)が成立している。【加藤佑輔】

 ◇栃木女児殺害事件◇

 2005年12月1日、栃木県日光市(旧今市市)で、小学1年生、吉田有希ちゃんが下校途中の杉林内で、同級生3人と分かれたのを最後に行方不明となった。翌日に約65キロ離れた茨城県常陸大宮市で遺体で見つかった。胸に十数カ所の刺し傷があった。

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