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「原発は安全」判決書いた最高裁判事が東芝に天下り 司法にも広がる原発マネー汚染
1992年に原発容認の判決をくだし、その後東芝監査役に天下った元最高裁判事の味村治氏(故人)。写真上は最高裁、下は東芝本社。

 四国電力伊方原発と東電福島第二原発の建設許可取り消しを求めた2つの裁判で、原発の安全性にお墨つきを与える判決を下した最高裁判事が、米国GE社と提携する原発メーカー「東芝」の役員に天下っていたことがわかった。判決があったのはチェルノブイリ原発事故から6年後の1992年のことで、脱原発の声を封じて原発ラッシュの流れをつくる一大転機となった。裁判官と原発産業の生臭い関係に、原発の危険を訴えてきた地元住民は絶句する。「司法よ、お前もか――」

【Digest】
◇東芝天下りの最高裁判事・味村治氏は元検事
◇「伊方」「福島第二」の二大原発訴訟
◇東芝役員の天下り官僚・大学長は20人
◇「伊方訴訟」でバレたデタラメ安全審査
◇「格納容器は絶対に壊れない」と国側きっぱり
◇海外大事故でも「日本の原発安全」と宮本勝美裁判長
◇「GE格納容器、燃料プールは脆弱」証言も裁判官無視
◇福島原発は地震で壊れない? というトンでも判決
◇チェルノブイリの『チ』の字もなかった最高裁判決

◇東芝天下りの最高裁判事味村治氏は元検事
 原発メーカー「東芝」監査役に天下っていたのは元最高裁判事味村治氏(みむら=おさむ・故人)だ。経歴は次のとおりである。

 1924(大正13)年中国東北部生まれ。東京帝国大法学部を卒業して司法試験に合格。戦後1期目の司法修習を終えて検事となり、東京高検検事長・内閣法制局長官をへて1990年、最高裁判事となる。ときの総理大臣は海部俊樹だった。94年、70歳で最高裁判事を定年退官した後は弁護士となる。「勲一等旭日大授章」という最高位の勲章を受け取り、98年、東芝の社外監査役に就いた。監査役は約2年間で、その後2003年7月に死去した。

 味村氏が天下った「東芝」(本社・東京都港区、佐々木則夫社長)は、日立製作所、三菱重工、三菱電機などと並ぶ国内有数の原発メーカーだ。沸騰水型軽水炉(BWR)の開発元・米国ゼネラル=エレクトリック社(GE)とも縁が深い。

東芝は沸騰水型原発を開発したアメリカのゼネラル=エレクトリック社(GE)と明治時代から協力関係にあった。上はGE創業者のエジソン。
 東芝の社史や広報資料によれば、東芝がまだ「芝浦製作所」と「東京電気」にわかれていた明治時代から、資本や技術面でGE社とは協力関係にあった。日米開戦で両者の関係はいったん切れるが、戦後再び手を結ぶ。朝鮮戦争や自衛隊創設に伴って戦闘機のレーダーなどを作るようになり、高度成長の波にも乗って東芝は会社を大きくしていく。

 原発事業への本格的な参入は1960年代以降。GEとともに東電をはじめ多数の原発建設にかかわりはじめる。今回事故を起こした東電福島第一原発の工事も行った。最近では2006年に加圧水型軽水炉(PWR)を開発した米国ウエスチングハウス社(WH)を子会社化し、国内だけでなく海外の原発プラント受注にも積極的に取り組んでいる。

 国内原発産業のトップランナー・東芝。そこに天下った最高裁判事・味村治氏。彼が下した「原発裁判」の判決とは、どんなものだったのだろうか。

◇「伊方」「福島第二」の二大原発訴訟
 問題の判決は2つある。「四国電力伊方1号炉訴訟」と「東京電力福島第二原発1号炉訴訟」。いずれも、国が出した建設許可に対し、予定地周辺の住民が「大事故の危険が高く、安全審査などの手続きに違法性がある」として許可の取り消しを求めたものだ。

 裁判はそれぞれ松山地裁と福島地裁で、.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



東芝には過去60年の間に高給官僚や大学幹部ら20人が役員として天下っていた。現職取締役の外務省OB・平林博氏(左)と東大元総長の佐々木毅氏(右)。
四国電力伊方1号炉と東電福島第二原発の設置許可取り消しを求めた訴訟で住民が敗訴したことによって、歯止めのない原発建設が進められてきた。東芝も多くの原発を受注してカネを儲けた。福島第一原発に東芝が納入したタービン(左)と圧力容器(右)。東芝社史より。
GE製の格納容器や使用済燃料プールの脆弱性を指摘する声は何十年も前からあった。だが国も裁判所も、こうした警鐘をないがしろにしてきた。
東芝は加圧水型原子炉を開発したウエスチングハウス(WH社)を子会社化し、国内外向け原発事業に一層力をいれている。「いまの地球のことを考えていたら涙がでてきちゃったよ。なんでだろう」などと書かれた原発の必要性を強調するポスター。

関連記事
記者コメント
5月31日、東芝広報室から次のとおり回答があった。
 「法律の専門家としての幅広い実績と識見に基づき、当社の経営に対する適切な監査を行っていただくことができるため(味村氏を採用した)」
 「裁判官はその良心に従い独立してその職権を行っており監査役就任に当たって問題はない」
 また味村氏の監査役在任は、1998年6月から2001年6月までの3年間だったことが確認できた。
 官庁出身の顧問や相談役に関する質問については回答を得ることができなかった。(2011/5/31)
天下り一覧表の味村治のところで「最高裁長官」は 正しくは「最高裁判事」でした。お詫びして訂正いたします。(2011/5/29)
本文:全約11000字のうち約9800字が
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三宅  22:07 11/10 2011
最高裁というのは判決に承服できない場合、反対意見というのをつけることができます。しかし「伊方1号」「福島第二1号」訴訟ともに味村氏の反対意見はありません。すなわち「原発安全」判決に積極的に賛成していたことを意味します。
ケロロ  19:33 09/26 2011
昨日のNHKでも取り上げられていたが、司法に正義なんてないのだと理解した。地元住民の意見は全く無視され、原発を建設すると一旦決めたら何があっても覆されない。この判決は国策であるとも・・自由化されるべき業界だろうが、それがないなら、東電なんて民間ではなく国有化されるべき。おまけに「天上がり」もあるのだから。日本は民主主義だというが、形だけのものだ。
渡邉正裕  17:02 06/23 2011
会員
この記事は、はてブはそうでもないが、ツイッターとフェイスブックで広がり、瞬発力の高さを見せた。1万ツイート超えたのはウチではじめてです。
kakumia  13:59 05/29 2011
味村治でアマゾンを調べると、「役員報酬の法律と実務」という興味深い本を書いてますね。
カモオオハシ  12:26 05/29 2011
怒ったり嘆いたりする前に大屋先生の記事と読み比べてみること。 ttp://www.axis-cafe.net/weblog/t-ohya/archives/000794.html
かお  11:01 05/29 2011
山本太郎さんのドラマを打ち切りにしたスポンサーも東芝らしいですね
おおはた  08:00 05/29 2011
罷免選択時に何をしたかは明記されず名前だけというセコイやり口。当然、全員信任せず×を記入してます。 60歳以上の議員に票を入れない『強制議員定年運動』という運動を広めています。民間は60歳で定年なのに議員は一生。年金も最低25年払わなければ資格がないのに議員は10年でいいなんて変です。 60歳以上で優秀な人間は、後進の指導・育成に当たればいい。 これを機に日本を正常化しましょう。