 重病の大動脈解離から生還して退院会見した加藤茶=25日午前8時34分、東京都港区の明治記念館 |
お笑いタレントの加藤茶(63)が25日、東京・元赤坂の明治記念館で会見し、故石原裕次郎さん=顔写真=と同じ「スタンフォードA型大動脈解離」で、生命の危険にさらされていたことを生々しく語った。加藤は10月30日、慶応義塾大学病院に緊急入院して以来、約2カ月にわたり闘病。約10時間におよぶ大手術では、心臓が3時間近く停止したといい、まさに奇跡の生還だった。
「死んでもおかしくなかった」
こう語る加藤は入院前の体重63キロから一時は10キロもやせ、ほおがこけていたが、口調も足取りもしっかりしていた。
まず、自身の長い闘病生活について、こう振り返った。
「本人(自分)は、2週間くらい生と死の間をさまよっていました。どういう手術をしたかも分かりません。治るつもり、生きて帰るんだと思っていました。でも、あとですごい手術だということが分かりました」
入院してからの検査で病状の深刻さが徐々に分かったようで、「11月は2週間で退院だということでしたが、面会謝絶になり、病院で寝ていました。治ったあと、正気に戻るまでだいぶ時間がかかりました」と告白。
また、現在の様子について「12月に入ってリハビリを兼ねて現在に至っています。11月は合併症が怖かったので、皆様にあいさつができないでいました。体調はすごくいい。病院へ入って規則正しい生活をしていますんで」と語った。
大動脈解離の手術は11月6日に行われた。心臓近くと頭部の3本の血管を人工血管に置換するなど、9時間56分に及ぶ大手術。低体温状態にして、心臓を2時間54分にわたり停止させる高度な手術だった。
その看病に付き添ったのが、平成15年3月に離婚した前妻の鈴子さん。
「面倒をみてくれるのは彼女しかいませんので、たいへん助かりました。カミさん(前妻)から子供へ説明があったと思います。意識がもうろうとしている手術前に(子供らから)『頑張ってね』。終わってから『お疲れさん』といわれました」
今月29日をめどに退院をする予定。「年内にけりをつけたかった。年を開けて新たな気持ちでやりたい」
手術後には、「人の気持ちになって考えられるようになった。生きているのが奇跡なんだ。生かされてんだな、という気持ちになった」とも。
最後に、「死ぬまでバカを通します。加トちゃんペッ!」と、ヤクルトのラミレス選手がホームランでも真似た得意のポーズで、元気さをアピールした。
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ZAKZAK 2006/12/25