クルーグマン氏の苦言糧に、スウェーデンが中銀監督強化を検討
6月3日(ブルームバーグ):ノーベル経済学受賞のポール・クルーグマン氏(プリンストン大学教授)にデフレ対策が手ぬるいとの批判を受けてから2カ月、スウェーデンは金融政策の監督強化を検討し始めた。
ボリ財務相は3日のインタビューで、物価上昇率を上げるとの責務を果たせないことへの懸念に対処するため、中央銀行を監督する独立機関の設置を検討するのは「議論に値する」と述べた。スウェーデン中央銀行は現在、議会の財政委員会が監督している。
クルーグマン氏は4月に、日本経済をまひさせたようなデフレ・スパイラルを招いたとして、スウェーデン中央銀行の金融政策を「サドマネタリズム」の一例だと批判した。スウェーデンでは年初から4カ月連続で消費者物価が低下し、中銀の理事からも政策を批判する声が挙がっている。
ボリ財務相はこの日、「情報開示の向上や議論の活発化は通常、好ましいことだ」と述べた。
2%のインフレ目標を達成できていないことを批判して、昨年スウェーデン中銀副総裁を退任したラルス・スベンソン氏も先週、中銀の監督体制改善を訴えた。物価はすでに2年以上、目標を下回っている一方で、失業率は8%を大きく上回って推移している。
ボリ財務相はこの日のインタビューで、財政政策の監督目的で設置されている独立機関に中銀監督という役割を持たせることも可能かもしれないと指摘。「秩序あるやり方で実行する一つの方法として、スウェーデン財務政策評議会が金融政策も監視することが考えられる」と述べた。
原題:Krugman Condemnation of Sweden Triggers Riksbank ReviewTalk (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ストックホルム Johan Carlstrom jcarlstrom@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Jonas Bergman jbergman@bloomberg.netNiklas Magnusson, Tasneem Hanfi Brogger
更新日時: 2014/06/04 03:37 JST