虎ノ門ヒルズ開業へ、都心大型開発加速し10年1兆円規模-森ビル (2)
6月4日(ブルームバーグ):都内2番目の高さの超高層ビル「虎ノ門ヒルズ」が11日、開業する。森ビルが開発し、虎ノ門地域再開発の中核施設として丸の内や大手町に迫るオフィス街構築を目指す。4日に記者会見した辻慎吾同社社長は、虎ノ門など港区で今後10年で約10件(事業規模1兆円)の大型プロジェクトを計画していると述べた。
虎ノ門ヒルズは地上52階建てで、高さは247メートルと、東京ミッドタウンに次ぐ。同社としては六本木ヒルズ以来、国内最大の延床面積を持つ。オフィス、住宅、ホテル、商業施設、会議場などで構成される複合施設だ。主要テナントは国内広告大手のアサツー・ディ・ケイや西松建設などで、米ホテルチェーン大手のハイアット・グループで日本初進出の「アンダーズ東京」も高層階に入る。
辻社長は「虎ノ門ヒルズを起爆剤にして、周辺エリアの都市づくりを加速させる」と述べ、他社とも組んで大型開発プロジェクトを加速させる方針を明らかにした。
虎ノ門地区は、霞が関の中央官庁街に隣接しながらも、丸の内や大手町などに比べ大型オフィスビルが少なかったが、5月には規制を緩和する国家戦略特区の一つとして、港区も指定を受けた。また、東京都は新橋・虎ノ門地区を外国企業誘致を目指す「アジアヘッドクォーター特区」の一つに位置付けている。
虎ノ門ヒルズのほか、森トラストが虎ノ門パストラル跡地で大規模複合施設を開発するほか、都市再生機構は虎の門病院などビル3棟を一体整備、高層ビル2棟に建て替える計画だ。
みずほ証券の石沢卓志氏は、虎ノ門ヒルズについて「繁華街の赤坂がオフィス街に生まれ変わるきっかけになったアークヒルズのようなものだ」と指摘。虎ノ門は「霞が関官庁街にも近い利便性を強みにして、オフィス需要が今後高まるだろう」との見方を示した。
大型投資辻社長は、大規模投資に乗り出す背景について、国家戦略特区や東京五輪開催を挙げ、「この1、2年が計画を実行する重要な時期だ」などと述べた。戦略特区については、港区中心のエリアでプロジェクトを実施する事業者として公募したという。
景気の持ち直しを背景にオフィスビル市況が回復しているのに加えて、特区構想や五輪などで事業機会が拡大するとして、不動産業界では、大型投資に乗り出す動きが広がっている。
三井不動産は日本橋、八重洲、日比谷地区などでオフィスや商業・物流施設の投資に充てるため、過去最大の3264億円規模の増資をする。三菱地所は5月、中期経営計画を策定し、オフィスビルを中心に投資額は1兆円を超える見通しだ。住友不動産も13-15年度の3年間で過去最高業績の更新を計画している。
新駅構想虎ノ門ヒルズは地下鉄の虎ノ門駅と神谷町駅、霞ヶ関駅、内幸町駅の間に位置している。辻社長は会見で「近くに日比谷線の新駅の構想も進んでいる」と語り、今後通勤などでの交通アクセスが向上する可能性を示した。
また、敷地の有効活用のため、ビルの地下を環状第2号線が貫通する構造が特徴。2号線の都市計画決定は1946年だったが、用地取得が難航し、ビルの地下を通る虎ノ門・新橋区間(約1.4キロ)は今年3月に開通した。
同区間はもともと、終戦直後に連合国軍総司令部(GHQ)が虎ノ門の米国大使館から東京湾の竹芝桟橋までの軍用道路整備を要求したとの説から、「マッカーサー道路」とも呼ばれている。2号線はさらに新橋から豊洲まで延長する計画で、2020年東京五輪の主要会場を結ぶ幹線道路となる。
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更新日時: 2014/06/04 15:50 JST