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国際
【早読み/先読み アメリカ新刊】日本軍の捕虜となり、虐待に耐え抜き帰還した「アメリカン・ヒーロー」
そうした中、著名な伝道師、ビリー・グラハム師の集会に出て、キリスト教に入信。自殺した「ワタナベ」とは再会できなかったものの、母親に「今は彼に対する復讐心はない。安らかに眠ってくれ」とのメッセージを送るところでストーリーは終わっている。
「南京虐殺」「バターン死の行進」そして「捕虜虐待」の記憶
正直言って、米兵捕虜に対する日本軍の虐待や中国人に対する残虐行為を扱った本はあまり読みたくない。戦争で死んだ日本人のことは思い浮かべても、敵国や他国の死者たちを思い浮かべることはあまりない。日本人の多くは、これまでそうやって生きてきた。
十数年前、中国系アメリカ人二世、アイリス・チャンの「レイプ・オブ・南京」が、(そこに書かれた事実関係の正確さはともかくとして)米知識人の間では話題になった時も、日本人はなぜこの本がそれほどアメリカ人に読まれるのか、釈然としないものがあった。
最近でこそ「Tears in the Darkness: The Story of the Bataan Death March and Its Aftermath」(邦題「バターン 死の行進」が邦訳されているが、日本軍の米英捕虜に対する加害に目を向ける機会はあまりなかった。
2009年6月には、藤崎一郎駐米大使が米兵捕虜団体の会合に出席して謝罪。10年には岡田外相が「バターン死の行進」で生き残った元米兵捕虜と面会し、外相として初めて公式に謝罪した。こうした行動については保守派はもとより、原水爆被害者団体からも「一方的な謝罪の必要はない」といった批判の声も出ていた。
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