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<STAP細胞>論文撤回、小保方氏代理人は困惑

毎日新聞 6月4日(水)13時30分配信

 理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が、STAP細胞論文の撤回に同意したことが4日明らかになり、研究成果は白紙になる見通しになった。ただ、理研は同意の理由を明らかにしておらず、撤回を強く否定していた小保方氏の突然の翻意に、研究に期待を寄せていた難病患者団体からは戸惑いの声が上がった。

【小保方氏が主論文撤回同意 研究白紙に】

 小保方氏は共著者に書面で撤回を伝えたとされるが、代理人の三木秀夫弁護士は4日、毎日新聞の取材に対し「知らなかった。今日だけで情報が二転三転している」と困惑した表情を浮かべた。この朝電話した際には、撤回をテーマに共著者間で協議していると答えたという。「精神状態が悪い中で半ば脅迫的に同意がなされた可能性もある。本人の意思を確認したい」と首をひねった。

 脊髄(せきずい)損傷の患者を支援しているNPO法人「日本せきずい基金」(東京)の大浜真理事長は、研究を利用した再生医療に大きな期待を寄せ、今秋開催するイベントに小保方氏を招くことを検討していた。「STAP細胞が無いのならiPS細胞しか頼るものがなくなる。論文が撤回された後も、理研はSTAP細胞があるのか無いのかはっきり白黒をつけてほしい。発表から撤回までの経過を分かりやすく説明すべきだ」と求めた。NPO法人「難病のこども支援全国ネットワーク」(東京都)の小林信秋会長は、「びっくりした。発表時には夢の難病治療が近い将来進むと期待した。本当に残念だ」と話した。

 戸惑いは市民にも広がる。兵庫県加古川市の自営業、夏目好市さん(63)は「小保方さんは努力はしていたのだろう。だが、きちんとした論文でなかった。ノーベル賞級と言われていたのに残念だ」と話した。

 論文不正に詳しい近畿大医学部の榎木英介講師(病理学)は「あれだけ撤回に抵抗していたのに、何があったのか。不正や疑義が多数指摘され、ボロボロだった論文の撤回は当然で、遅きに失した。理研は、これで不正調査を終わりにしてはいけない。徹底的に調査しないと、今後の教訓にならない」と指摘した。【根本毅、斎藤広子、畠山哲郎】

最終更新:6月4日(水)16時32分

毎日新聞

 

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