クモの猛毒、ハチの救世主となるか 研究

2014年06月04日 15:55 発信地:パリ/フランス

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×養蜂箱のハチ。ルーマニア・ブカレスト(Bucharest)で(2014年4月4日撮影、資料写真)。(c)AFP/DANIEL MIHAILESCU

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【6月4日 AFP】世界で最も毒性の強いクモから取り出した毒が、世界のミツバチを救うかもしれない──。このクモの毒は貴重な授粉者であるミツバチにほとんど効果を及ぼさず、害虫だけを駆除する生物農薬としての役割を担うとした研究論文が、4日の英学術専門誌の英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)に掲載された。

 野生および飼育下のハチの個体数は、欧州、南北アメリカ大陸、アジアで減少している。科学者は原因の究明に苦心しているが、原因の可能性の一つとして挙げられているのが化学農薬だ。

 科学者らは昨年、作物やハチの巣を保護するために使用されている一部の農薬が、ミツバチの脳回路に影響し、食料調達に不可欠な記憶と位置把握の能力を阻害してハチの巣全体に脅威を及ぼしているとの研究を発表した。これを受けて欧州連合(EU)では一部の化学農薬を一時的に禁止した。

 今回、英ニューカッスル大学(Newcastle University)率いる研究チームは、オーストラリアに生息するジョウゴグモの毒とユキノハナ(植物)のタンパク質から作った生物農薬が、ハチにほとんど効果がないことを突き止めた。

「ハチが野生で経験する以上の量を、急性的及び慢性的にハチに投与した結果、ハチの生存能力には極めてわずかな影響しか見られず、学習と記憶の能力には測定可能な効果を全く示さなかった」とニューカッスル大学は声明で述べた。また論文によると、成体と幼虫のいずれも影響がみられなかったという。

 この生物農薬は、複数の主要な害虫種にとっては極めて毒性が強く、その一方で人体には有害でないことがこれまでの研究で示されている。(c)AFP

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