安保与党協議:政府「自衛隊活動は非戦闘地域」から転換

毎日新聞 2014年06月03日 12時15分(最終更新 06月03日 13時03分)

 政府は3日午前の「安全保障法制の整備に関する与党協議会」(座長・高村正彦自民党副総裁)で、過去の自衛隊の国際協力で「活動は非戦闘地域に限る」としてきた制約を外す方針を示した。その上で自衛隊の後方支援活動について、憲法9条解釈で禁じられている「他国の武力行使との一体化」の範囲を限定する新たな4条件を提示した。

 憲法9条は海外での武力行使を禁じている。同時に、外国部隊の武力行使を支援する活動は、武力行使と一体化していると見なされれば憲法に抵触すると解釈してきた。

 イラク復興支援などの国際協力で自衛隊が後方支援を行う場合は、支援の内容を限定するとともに、「非戦闘地域」でだけ活動を認め、他国部隊と一体化しないことを担保する法的仕組みを設けてきた。

 ただ、「非戦闘地域」は非現実的な線引きだと批判されてきた。また、どういう活動内容が武力行使と一体化するかについても「個別に判断されるべきだ」として明確にしてこなかった。

 今回の見直しでは政府は「非戦闘地域」の設定を断念。一体化について新たに4条件を示し、すべてを満たした場合が「一体化」にあたるとの考えを示した。

 しかし、政府が「一体化していない」と主張しても、敵軍がそう見なさず、戦闘に巻き込まれる可能性はある。自衛隊が危険度の高い戦場に行くことに道を開くことになる。【古本陽荘】

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