「米国3位の携帯電話事業者Sprint Nextelの買収により、ソフトバンクグループが世界3位の通信グループに。」
――2013年7月、ソフトバンクによる米スプリントの買収完了という驚きの報告と共に、孫正義社長が「世界へ挑む」と30年後までのグループのビジョンを熱く語りかけた伝説のスピーチから早一年。また今年も、ソフトバンク経営陣を始め、各分野に精通するゲストスピーカーによる講演のほか、モバイル・クラウド関連のソリューションやサービスの展示が行われる法人向けイベント「SoftBank World」が2014年7月15日・16日に開催される。
今年で3回目の実施となる「SoftBank World」では、史上最大規模の上場と話題のアリババグループ 会長 ジャック・マー氏など、ビジネス界で注目を集めるキーパーソンによる各種講演会に無料で参加できるということで是非足を運んでみてはいかがだろうか。(イベント参加申込はこちら)
参加申込はこちら(参加無料)| SoftBank World 2014
『情報革命の最先端を目撃せよ。』ソフトバンクグループ最大の法人向けイベント「SoftBank World 2014」開催!昨年も多くのお客様にご来場いただきました「SoftBank World」を今年も開催いたします。
そして今回は、「SoftBank World 2014」の開催に先立ち、伝説のスピーチと呼び声高い孫正義社長による昨年の講演「世界へ挑む」を全文書き起こしでご紹介しよう。
今こそ、停滞した日本から世界へ打って出ることが必要不可欠
みなさん、おはようございます。ソフトバンクの孫です。よろしくお願いします。
「世界へ挑む」。これは私自身がわが社に対して思っていることですが、今日お集まりの多くの皆様は世界で大いに活躍されている企業の皆様、あるいはこれから打って出ようと思っておられる方々かと思います。
最近、アベノミクスということで日本の経済もようやくもう一度成長を迎えようという空気が出てまいりました。経済を刺激する意味で、財政やその他いろいろな方法があるわけですが、結局最後のところは成長戦略です。一時的な財政のテクニックを使っても、日本経済が大きく成長しなければ、それでは意味をなさない。そういう意味で、日本が以前に高度経済成長していた時は、まさに日本の家電業界や自動車業界の創業者の方々が、世界に大きく打って出始めた時期だったと思います。この20年間、日本の経済は長く停滞していましたが、これから人口が減っていき、少子高齢化時代になる日本において、世界に打って出るということは、まさに必要不可欠ではないかと思います。
「Digital or Die」日本企業が絶対に取り組むべきデジタル化
もう一つは、「Digital or Die」。デジタル化するか、あるいは自らの企業の将来がないと追い込まれるかです。特に最近、日本の家電業界等、かなり赤字が続き苦戦しておられますが、私が思うにはデジタル化の遅れです。単に電子部品を組み立てて、アナログ的に物を作る。ハード屋は立派に丁寧に、小さく薄く故障しにくくというような開発が日本の元々のお家芸ですが、そこにデジタル化が足りないのではないでしょうか。ソフトとハードを融合し、クラウドと連携し、ビッグデータを活用し、日本のこれまでの最先端と言われた企業が、もっと積極的にデジタル化を図っていかなければならないのではないか。そういう意味で、「世界へ挑む」ということを今日のメインテーマとして掲げたいと思います。
世界3位の売上高を誇る、ソフトバンク・スプリント連合軍
それでは早速、まず私自身、私共ソフトバンク自身も特に今年から、「世界へ挑む」ということを行っております。このスプリントの買収、ヤキモキいたしました。すったもんだがありました。かなり紆余曲折で、結局お金は少し高くついてしまいました。しかし、ようやく予定通り7月11日にこの買収が完了しました。
それによって我々は、世界で3位の売上高を誇る企業になったわけです。これまで日本のソフトバンクのモバイル事業は、日本で3位なのか、日本で2位なのか。ソフトバンクブランドのサービスとしてはユーザー数も売り上げも3位ですけど、ソフトバンクグループとして言えば、ユーザー数も売り上げも2位なのではないかと思います。しかし、そんな国内で2位か3位かという議論は、もうどうでもいい。それよりも世界で3位だと、こちらに計り方の物差しを変えようと。ユーザー数もグローバルで数えると、ドコモさんをはるかに凌いでアメリカNo.1のベライゾンに迫るというところまで来たわけです。
これによって、我々と普段からお取引していただいている皆様方、あるいはこれからお取引を始めようというステージの会社さん、このソフトバンクがスプリントをグループに入れたことによって何がもたらされたのかということです。
ソフトバンクだけですと世界における拠点というのはほんの少ししかないですが、スプリントには世界30か国で事業を行っている通信の拠点があります。またネットワークは、全世界165か国に直接つながっているという強みがあります。すでに世界で大きく活躍しておられる、あるいはこれから世界に打って出るという皆様方において、ソフトバンク・スプリント連合軍で、皆様の世界へのさらなる挑戦というものをご支援申し上げていきたい。そういうことで、米国3位のスプリントを我々が傘下に収めることができ、ソフトバンク・スプリント連合軍で大きくこれから世界に羽ばたいていきたいと思っております。