中国民主化運動の象徴「戦車男」、天安門事件から25年

2014年06月04日 06:00 発信地:北京/中国

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×1989年6月4日、中国北京(Beijing)の天安門広場(Tiananmen Square)に進入しようとし、群衆に燃やされた約20台の装甲車(1989年6月4日撮影)。(c)AFP/MANUEL CENETA

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【6月4日 AFP】その男性は世界的に知られていながら、無名だ──1989年6月5日、中国北京(Beijing)の天安門広場(Tiananmen Square)で戦車の隊列の前に一人で立ちはだかった男性は、25年経った今も、平和的な抗議行動と抵抗の象徴とされている。

 その日のまもなく正午だった。両手に買い物袋を提げた白いシャツ姿の男性は、天安門広場の北側を走る大通りの中央に進み出た。民主化を夢見た学生たちの姿は、広場からすっかり消えていた。広場では前日、民主化を求めるデモを軍が武力で鎮圧し、抗議の参加者に多数の死者が出ていた。通りのずっと先まで何台も連なる戦車や装甲車。男性は先頭の戦車の前に立った。そしてその戦車が進路をずらして通もうとするたびに、前に歩み出て行く手を阻んだ。

 カメラに捉えられた「戦車男(Tank Man)」は、20世紀という時代を決定づける映像の一つとなった。

 忘れることのできない強力な映像は、これまで数え切れないほど紹介されてきたが、この人物の正体やその後の運命は今も分からないままだ。

 その後、銃声が鳴り響く中、男性は戦車によじ登り、兵士の一人と話し込んだ。そしてまた路上に降り、隊列に退却を命じるような身振りをし、先頭車が速度を上げて通り過ぎようとすると、また立ちはだかった。

 最終的に男性は、治安警察とも、心配した通行人ともいわれる男性2人に連行されるような格好でその場を去った。

 中国の著名な市民活動家、胡佳(Hu Jia)氏は「戦車男」についてこう語っている。「私には彼が『通らせるものか、下がれ――皆死ぬ覚悟はできているんだ』と言っているように感じられた。彼が象徴したのは、当時の若者たちの精神だ」


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