政府は22日、2015年度からの子育て支援の新制度で、保育所など事業者が受け取る年間収入額の試算を明らかにした。事業者への公費補助を増やして、保育士の増員や賃上げにつなげる。消費税の増収分を財源とする。計7千億円を投じる予定の17年度には、平均的な規模の施設で現行に比べ約1割の増収を見込む。利用者の負担額はほぼ変わらない。
試算の原案を22日に自民党に示し、了承を受けた。26日には、保育の事業者団体や自治体の代表らを集めた「子ども・子育て会議」を開き、とりまとめを目指す。
試算原案では、保育所や幼稚園、幼保連携型認定こども園など事業者の種類別に、年間収入を平均的な定員数のモデルケースとして例示。現行水準をあてはめた試算と、消費税を来年に予定通り10%に上げると年間の税収増が約7千億円になる17年度時点の試算とを比較できるようにした。
例えば保育所では、定員90人で現行水準が8千万円。これが17年度には8900万円と約11%増える。幼稚園やこども園なども同様に、現行から1割ほど増収になるとした。実際の増収幅は定員数や預かる子供の年齢、地域などにより変わる。
増収になるのは「加算」と呼ぶ補助の割り増しが大きい。保育士の賃金を上げたり、3歳児向けの保育士の数を基準以上に増やしたりする事業者に、補助を追加する。
サービスは手厚くなるが、利用者負担は今とほぼ変わらない。月々の上限額を所得に応じて設け、幼稚園に3歳以上の子を預ける場合は0~2万5700円、保育所にフルタイムの人が3歳未満の子を預ける場合は0~10万4千円とした。実際の額は市町村が決める。
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