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2014/6/3(火)
大台町 秘境大杉谷、全通1カ月 崩壊地が新名所に
【巨岩重なる「崩壊地」を行く登山者たち=大台町の大杉峡谷で】
【多気郡】宮川最上流の大台町の登山口と奈良県・日出ケ岳(一、六九五メートル)を結ぶ日本三大秘境の一つ大杉谷の登山道(約一四・一キロ)が十年ぶりに全線開通して一か月余り。長く待たされてきただけに登山客が急増。特に関西方面から多いという。平成十六年九月の台風21号災害によって山肌が大きく崩れ、巨岩が積み重なって誕生した崩壊地が新たな名所になりつつある。先週末、四月二十五日に開通した解禁エリアの秘境を訪れた。
開通したのは峡谷最奥部の七ッ釜滝―堂倉滝間の約二・三キロ。途中に光滝や隠滝など見どころが多い。
新たに出現した崩壊地は七ツ釜滝から先。川は巨岩で埋まっていた。
直径十メートルもある巨岩群は高く積み重なって、迫力満点の景観。自然の破壊力を感じながら、登山道はその隙間や脇をすり抜けていく。コースに迷う人も多いという。
岩肌を滑るように落ちる光滝を過ぎ、つり橋を渡ると堂倉滝。登山客は対岸で休憩を取り、達成感に浸る。日光の多少により滝つぼは色を変えた。
大台町など発行の最新ガイドブックでは「崩壊地」を新名所としてPR。大杉谷登山センターは、復旧工事中の呼び名「崩壊地」ではなく、親しまれるような愛称を登山者から募っている。
山小屋の「桃の木山の家」はこの間、週末には百人を超す登山者を受け入れたことがある。「十年ぶりの全面開通」がマスコミや山の雑誌で紹介されたことが大きいという。
大台町の道の駅おおだいから登山バスを運行しているエスパール交通によると、登山者は昨年の三倍ほどに増え、大阪や京都、奈良、兵庫県など関西方面からの客が多いと話した。
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