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 南海トラフを震源とする巨大地震で津波が発生した場合、兵庫県内で最大2万9千人が死亡するとの被害想定を兵庫県が3日、発表した。浸水地域の3割の人が事前に避難しないと仮定した。同様の条件で、大阪府は府内で最大13万人が死亡するとの想定を公表しており、内海沿いの府県でも甚大な被害が生じることがあらためて示された。

 東日本大震災並みのマグニチュード9・1の地震を想定。淡路島には40分後、神戸市には80分後に津波が到達し、県内で最大6141ヘクタールが浸水する――としたこれまでの県の予測をもとに、人的・建物被害などを季節や時間帯ごとに独自に試算した。

 東日本大震災時の避難状況などをもとに3割の人が津波到達時までに避難していない場合を想定すると、死者は最大時(夏の正午)で計2万9千人で、うち96%(2万8千人)が津波によるものだった。神戸市では9300人、尼崎市で8300人、西宮市で7千人が津波によって死亡するとみている。

 ただ、地震発生直後に全員が避難を始めれば、津波による死者は250人にまで抑えられるとも見込む。多くの死者が想定される地域はビルの多い都市部が中心で、津波到達までに比較的時間があり、3階以上に逃げれば助かるケースが多いためだ。

 建物被害の想定では、沿岸部の広い地域が最大震度6強以上の揺れに襲われ、最大時(冬の午後6時)で3万8500棟が全壊。圧死や火災による死者は約1900人に上るとした。

 県内の住宅の耐震化や家具の転倒防止措置を進め、初期消火にも当たれば、被害の5~7割を抑えられるとみており、全壊も1万2千棟(夏の正午)に減ると見込む。