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STAP 存在に新たな疑念
6月3日 19時23分

STAP 存在に新たな疑念
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理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが作製に成功したとするSTAP細胞を培養して出来た細胞を詳しく分析したところ、この細胞は実験に使っていないはずの別の種類のマウスの細胞だった疑いが強いとする研究結果を国内の複数の研究チームが、まとめていたことが分かりました。
専門家は「STAP細胞は存在しないのではないかという強い疑問を抱かせる結果だ。理化学研究所はしっかりと調査すべきだ」と話しています。

このうち、横浜にある理化学研究所統合生命医科学研究センターの遠藤高帆上級研究員らのグループは、研究所の論文の不正調査とは別に分析を独自に行い、報告書にまとめました。
それによりますと、研究グループは小保方リーダーらが作製に成功したというSTAP細胞を培養して出来た細胞について、インターネット上に登録されている遺伝子のデータベースを使って詳しく分析しました。
その結果、この細胞は「F1」という種類のマウスから作ったとされていたのに、実際には、この実験には使われていないはずの「B6」と「CD1」という2種類のマウスの細胞だった疑いが強いことが分かったということです。
またNHKが取材したところ、別の複数の大学の研究チームも、これと同じ結果をまとめていました。
さらに、理化学研究所のチームが、これらの細胞の遺伝子の働き方のパターンを分析したところ、この「B6」のマウスのものとみられる細胞の特徴は研究の現場で10年以上前から使われている万能細胞「ES細胞」と似ていたということです。
また、もう1つの「CD1」のマウスのものとみられる細胞の特徴は、受精卵から作られる胎盤になる細胞「TS細胞」と似ていたということです。

専門家「存在に強い疑問抱かせる結果」

この分析結果について、遺伝子解析に詳しい東京大学の菅野純夫教授は「STAP細胞はES細胞とTS細胞が混ざったもので、そもそも存在しなかったのではないかという疑問は、以前から専門家の間にあったが、その疑問を強める結果だ。データや分析の手法などをみると、今回の結果の誤差は極めて低いと考えられる。理化学研究所は残されている細胞の遺伝子を解析するなどしっかりとした調査を行い、こうした疑問に答えるべきだ」と話しています。

理研「調査必要ないとの判断変わらず」

理化学研究所は「結果については把握していたが、STAP細胞の有無を結論づけるものではないと考えている。指摘のあった部分が含まれる論文については、著者がすでに取り下げの意向を示していることもあり現段階では調査する必要はないという判断は変わらない」とコメントしています。
これについて小保方リーダーの代理人を務める三木秀夫弁護士は、「理化学研究所の公式の調査ではないので、コメントできない」と話しています。

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