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カジノより先にパチンコの「負の側面」の検証を

観光振興や経済成長戦略として俎上にのぼっているカジノについて、毎日新聞が、「カジノの合法化 負の検証がまず先だ」という社説をだしています。ギャンブルだから依存症の人も増えることも考えられ、「負の側面」が懸念されるということですが、では日本に存在する他のギャンブルについてはどう考えるのでしょうか。
社説:カジノの合法化 負の検証がまず先だ - 毎日新聞

宝くじ、パチンコ、競馬、競輪、競艇と日本にもギャンブルは存在しています。日本で異常だと感じるのは、ギャンブルそのものであるパチンコの施設が、人びとの生活圏に堂々と建っていることです。日本ほど身近な場所で気軽に利用できるギャンブル施設が解禁されている国は少ないのではないでしょうか。ちなみにお隣の韓国ではパチンコは禁止されています。

■ギャンブルの参加率の推移
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パチンコ産業も斜陽化し、パチンコを楽しむ人口は20年前の3000万人近くから減少して、今や1100万人に減ったとはいえ、ギャンブルとしては、宝くじについで楽しむ人の割合(参加率)が高く、結果、売上高(貸玉料)もピーク時からは大きく減ったとはいえ、平成24年で19兆円を超えています。

日本生産性本部「レジャー白書2013」のデータでは、参加人口が1,110万人で、売上が19兆660億円ということは、ひとりあたり年間おそよ172万円が使われ、平均活動回数が27.4回だとすると、ひとり、一回あたりに6万2,700円程度がギャンブルに投じられていることになります。元がとれたり、勝てたという人もいるのでそれがすべて吸収されたということではないでしょうが、いやはや金額の大きさと言い、ギャンブルそのものに感じます。そのパチンコ産業のトップ企業はマルハンですが、連結で2兆円を超える売上高を誇る規模です。いははや日本はすでにギャンブル大国なのかもしれません。
売上・参加人口・活動回数|一般社団法人 日本遊技関連事業協会

ところであまりにも身近なところで遊べるパチンコが原因で起こる負の側面は、あまりマスコミでは取り上げられません。報道されるのは、炎天下に停めた車に幼児を放置し死なせたという事件ぐらいでしょうか。しかし、パチンコで負けてサラ金から巨額の借金を抱えてしまったとか、借金を抱えてしまった主婦が売春に走っているとか、自殺が絶えないとかの噂は絶えません。

毎日新聞の社説のように、カジノや大型レジャー施設の「負の側面」を検証することには異を唱えませんが、まずはすでにある他のギャンブルの「負の側面」の検証が先だというのが筋でしょう。でなければ比較のしようがありません。

まさか毎日新聞が、カジノと競合することを恐れたパチンコ産業とタッグマッチを組んで社説を書いたとは思えませんが、そうでなければたんに反対のために異を唱えているだけだとしか言いようがないですね。

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