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人事は見ている 「つぶやき」次第で不採用も
ソーシャル新人類の不夜城(6)

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2014/6/3 7:00
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ITpro

 ソーシャルメディアを就活に活用する、通称「ソー活」。情報収集や就活仲間とのコミュニケーションツールとして役立てている学生は多い。一方で、人事部もネットを検索し、採用候補の学生の発言をチェックしている。発言内容によっては、採用を見合わせるケースも出てきた。ソーシャルメディアを駆使する若者世代の実態と危うさ、そして対応するための処方箋を、元小学校教員でIT(情報技術)ジャーナリストの高橋暁子氏が解説する。今回は、「ソー活」に潜む危うさを見ていく。

ソーシャルメディアに自分の生活であったことを書き込む学生は少なくない。ただその内容が就職活動にマイナスに働くこともあるため注意が必要だ(写真は本文とは関係ありません)
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ソーシャルメディアに自分の生活であったことを書き込む学生は少なくない。ただその内容が就職活動にマイナスに働くこともあるため注意が必要だ(写真は本文とは関係ありません)

 4月を過ぎて、今年も企業に多くの新入社員が入ってきた。就職活動(就活)を始めた新就活生もいることだろう。ソーシャルメディアの普及により、これを就活に利用する「ソーシャルメディア就活」が広がっている。就活生が、情報収集や就活仲間とのコミュニケーションなどに使うほか、企業が就活生に向けた情報発信に使うこともある。

 筆者は以前、「何でもTwitter(ツイッター)に書いちゃうんですよね」と言っていた大学3年生女子に会ったことがある。匿名にしているのかと思ったが、「プロフィールに大学名は書いてある。名前はローマ字にしてるだけ」という。

 しかも、「テストが悪かったとか大学サボったとか遅刻したとか、呼吸をするように書いてる。友達に、私が何をしてたか『Twitterを見れば分かる』って言われてる」。

 このように、どんなこともTwitterにライフログのように書いてしまう学生は多い。匿名にしていないケースも珍しくない。就活を控えた身なのに、それで大丈夫なのかと心配になってしまうほどだ。

 というのも、企業の人事採用担当者が就活生のソーシャルメディアを検索するのは、もう常識中の常識だからだ。そして、書き込みの内容が理由で不採用となったケースも実際に出てきている。そうした場合、企業が不採用にした理由を就活生に伝えるとは限らない。

 実際、米国でも2009年3月に、通信機器メーカー大手のシスコシステムズから採用通知を受けた女子大生が、「Cisco offered me a job! Now I have to weigh the utility of a fatty paycheck against the daily commute to San Jose and hating the work.(シスコから採用通知がきた。高い給料と、サンノゼへ毎日通勤することや仕事が気に入らないことを、はかりにかけなくては)」というツイートをした後で、採用を取り消されている。

■SNSが情報収集・就活生同志の連絡ツールに

図1 インターネットの利用目的・用途における就労情報収集の推移(出典:総務省「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」)

図1 インターネットの利用目的・用途における就労情報収集の推移(出典:総務省「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」)

 総務省「ICT(情報通信技術)インフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」(2011年)によると、2009年に20代でインターネットを就労・転職関係の情報収集に利用する割合は21.2%となっている(図1)。就活生がネット経由で企業の発信する情報や、就活生同士で口コミ情報などをやり取りするのは決して珍しいことではないのだ。

 当然、就活におけるソーシャルメディア活用も盛んだ。電通パブリックリレーションズの第2回「電通PRソー活調査」(2013年2月)によると、2012年(47.3%)に引き続き2013年も約半数(45.3%)の学生が、就職活動にソーシャルメディアを利用した就職活動、つまり「ソー活」をしている。ソー活をしている就活生の割合は、「大学の就職課/キャリアセンターに行く」と回答した就活生(40.0%)を上回っている。

 ソー活のメリットとして、「手軽な情報収集」と「就活仲間との交流・コミュニケーションの広がり」を挙げる学生が多い。その一方、就職活動でSNSを利用する中で困っていることの1位は、2012年に引き続き「不用意発言をしてしまうのではないかと不安だ」(14.7%)となった。

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