スペイン国王が退位表明　皇太子に譲位

スペイン国王の在位４０年を振り返る

マドリード（ＣＮＮ） スペイン国王のフアン・カルロス１世（７６）が２日、退位を表明した。ラホイ首相が２日に発表した。長男のフェリペ皇太子（４６）が王位を継承する。

国王はテレビ放映された声明で、「必要な改革を実行して将来の課題に立ち向かうことのできる、エネルギーあふれた世代」に引き継ぐ時が来たと述べた。そのうえで、皇太子には国王に必要とされる心構えや責任感が備わっていると強調した。

この発表を受け、マドリードでは君主制自体の廃止を主張して数千人がデモを繰り広げた。インターネット上では、君主制廃止に向けた住民投票の実施を求める署名運動に、国内在住者ら１０万人以上の賛同が集まっている。

国王は１９３８年にローマで生まれた。７５年、長年にわたり独裁体制を敷いたフランク総統の死の直後に即位し、民主化を推進。８１年には軍によるクーデターを阻止して国民の支持を集めた。

しかし、１２年には象狩りに出かけた先のアフリカで負傷する騒ぎがあり、経済危機に苦しむ国民を顧みず旅行に出かけていたことに非難が集中。国王は「間違いだった」と異例の謝罪を表明していた。

また、国王の次女、クリスティーナ王女と夫のウルダンガリン氏は脱税や資金洗浄の疑いをかけられているが、本人たちは関与を否定している。

こんな話題も

• 給料払って――天気予報に秘密のメッセージ？　米気象局 10/06

• スペイン、夜型生活とお別れ？　生産性向上へ 04/06

• 「女王も経費削減を」、英議員が王室に注文 01/29

• 英王子の祖先にインド人　ＤＮＡ鑑定で判明 06/15

• ＷＷＦ、スペイン国王を「解任」　豪華狩猟ツアーに批判 07/23