AKB襲撃事件で表面化 握手会のキケンな実態 手に唾液や精液を付けてくるケースも
夕刊フジ 5月28日(水)16時56分配信
アイドルファンのみならず社会に衝撃を与えたAKB48握手会襲撃事件。26日に予定されていたAKBやNMB48の公演、握手会が相次いで中止になり、影響は広まっている。「起こるべくして起きた」と言われるアイドルの握手会の実態はどうなっているのか。
AKBはじめ各アイドルグループが行う握手会は、「CDセールスの原動力」(都内のアイドル系事務所)と位置付けられている。CDを買う側にとっても、同封されている参加券でアイドル本人と数秒だが1対1で会話ができる貴重なチャンスを得られる。売る側、買う側双方に利点があり、この商法を取らないメジャー系アイドルグループが少数派だ。
その握手会で、表面化はしないもののアイドルへの嫌がらせをするファンが少なからず存在すると、アイドル評論家の西幸男氏が実態を明かす。
「アイドル本人へのアドバイスやライブの感想を伝える前向きの会話もあるが、不満を言うファンもいる。運営側に直接言える機会が少ないので、本人たちへ言ってしまう」
その内容は千差万別だが、「ライブで最前列にいて応援していたのに、どうして目線を合わせてくれなかった!」「ブログやツイッターでコメントしてるのに、なんでレスしてくれないの」といった“心理的ストーカー”によるイヤミが増えている。
中には、「何回も握手会に通っているのにどうして名前を覚えてくれないんだ」と非難も。「最悪に近いのは、握手する手に唾液や精液を付けるケース。手のひらをチェックしても、その後にどうにでもなる」(アイドル事務所関係者)
暴走する一部ファンたちに、アイドルたちはどう対応しているのか。西氏によると、「暴言やマイナス面を言われると、精神的に弱い人は顔に出るし、握手会が嫌になる。しかし、握手会は必須イベントなので克服しないといけない」。神経をすり減らした結果、体調を崩すケースも多い。
だが、まだ専任スタッフが配置されるメジャー系アイドルグループは恵まれている。地方のローカルアイドルグループや、秋葉原などにいる“地下系アイドルグループ”になると、そもそも事務所のスタッフが数人しかいないので警備は不可能だ。
「グッズはアイドル本人たちの手売り。ライブ後の撮影タイムが稼ぎ時で、むしろアイドルたちがファンの手を引っ張ってツーショット写真撮影を勧誘するケースもあり、問題はファンだけでなくアイドル側にもある。いままで、重大なトラブルが起きていない方が不思議」(西氏)という。
アイドルとファンが接近するのは握手会だけでなく、撮影会やDVD販売記念イベントも多い。「水着になったアイドルたちを間近で写真が撮れる。肌を露出しているので、興奮したファンがもし刃物で切りつけでもしたら相当危険だ。しかも、警備はあまり厳重ではない」(西氏)
ファンとの距離を保てばタレント本人の安全も確保できるが、確実にイベントの集客力は落ち、CDセールスも減る。アイドルグループのプロデュースは岐路に立たされている。
最終更新:5月28日(水)16時56分
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